2019年10月-この人のセニョ〜ム 渡邉 雄大さん

渡邉 雄大 さん
無いものは私たちで創ればいい。ラブアン初の
日系信託会社として、新事業を世界へ発信!

1982年千葉県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。日系・外資系金融機関でのトレーダー経験を得て独立。シンガポールでヘッジファンド会社の設立に創業メンバーとして参画し、関数型言語やプログラム端末を用いたアルゴリズムの設計・開発業務を担当。2015年、シンガポールからマレーシアへ生活拠点を移し、ラブアン関連業務に従事。2018年にラブアン信託会社Bona Trust Corporation(ボナトラストコーポレーション)を創業し、同社代表取締役に就任。

今年3月、「ラブアン初の日系信託会社が誕生する」と日系メディアで紹介されたのが、今回のゲスト、渡邉雄大さんが代表取締役に就くボナトラストコーポレーションだ。同社は会社秘書役業務を行う信託会社で、主な事業内容は「国際事業の中継点となり、ASEANのハブ機能を果たすこと」と、「ASEAN進出企業の設立・運用をサポートし、ラブアンの玄関口の機能を果たすこと」。今年4月に、ラブアン金融庁から正式に信託ライセンスを取得した。
渡邉さんに、そもそもなぜマレーシアで起業したのかについて聞くと、「一つは多民族国家であること。マレーシアはマレー系、中華系、インド系、その他30以上の先住民族がお互いに文化・言語を尊重しながら、それぞれ距離感を取り、絶妙なバランス感覚の上に社会が成り立っている国です。ここには同調圧力が存在せず、非常に開放感のある雰囲気で仕事ができる。二つ目は、全体的に物価水準が低く、失敗にかかるコストが圧倒的に安く済むことです。ビジネスの本質とは、何度も試行し、何度も失敗し、一つの成功を創り上げていく物語の連続だと思っています。だからコストがかからないという点で、ASEAN進出の第一歩としては非常にスタートアップがしやすい環境にあると思いました」。
起業後は、それまでの経験から多くのトライアル&エラーの繰り返しだと覚悟はしていたものの、
「マレーシアで苦労した点は挙げればキリがないですが、時代の変化のスピードに対して、規制が追い付いていないことでしょうか。特に許認可事業は、どこまでがOKで、どこからがNGなのかという明確な規定がない状態で進めなければならず、イノベーション(革新)とレギュレーション(規制)のバランス調整に多大なストレスを感じています」。
起業前にトレーダーとして働いていた5年半は100年に一度と言われる危機が3回も起きた時代で、「07年のサブプライムショック、その後のリーマンショック、11年の東日本大震災。秒刻みで変わる相場のなかで、決断を迫られる。正直、人生観が変わりました」と語る渡邉さんの今後の展望は、「継続・反復性が伴う業務はITが最も得意とする分野。業務の自動化やセキュリティ対策に向けて現在、AI(人工知能)研究を行っています。実用化できたソフトウェアを香港やシンガポールなどへ輸出することで、ラブアンの新たな産業分野に育てていきたいと考えています」。

2019/10/01 | カテゴリー:この人のセニョ~ム

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