2019年8月-この人のセニョ〜ム 髙橋 一平 さん

髙橋 一平 さん
マレーシアは自由ですばらしい国
日本や他の国を追かける必要はないです!

1977年、東京都生まれ。建築家。2000年、東北大学工学部建築学科卒業。2002年、横浜国立大学大学院建築学専攻修了後、西沢立衛建築設計事務所に入社。数多くのプロジェクトに携わった後、2010年、髙橋一平建築事務所設立。現在は横浜国立大学や法政大学で教鞭も執る。代表作は「七ヶ浜町立遠山保育所」「Casa O」など。日本建築学会作品選集新人賞など受賞多数。

6月、JFKL(国際交流基金)主催の※1展覧会に、ゲストスピーカーとして招待された髙橋さん。マレーシアに来るのは今回が初。マレーシアの印象、建築や環境に対する思いを語ってくれた。
「マレーシアは、いろんな人種の人がいて面白いですね。うまく共存していると思います。人種や宗教ごとに建築も多様性がありますし、また、気候・風土に合わせた自然素材を利用しているのも素晴らしいです。西欧諸国や日本を追いかける必要は全くないですね」。滞在中、クアラルンプールの街を歩き、チャイナタウンの猥雑さとそれとは対照的な国立モスクの美しさが印象に残ったそう。もともとアジアを旅することが好きで、最近は中国の奥地によく行くという。「人の生活を見るのが好きなんです。少数民族が住む古い街や村を訪ねます。奥地はほとんど近代化されていないので、昔の生活にいきなりスマートフォンを手にし、電気バイクが走るという未来的な光景が重なる。そのあり方がすごく新鮮で、参考になります」。髙橋さんは、戦後の近代化の波が、未だに人を窮屈にさせ、自由を奪いストレスフルにしていると語る。
小学生の時に、すでに建築や街が好きだったという髙橋さん。いったいどんな建築をつくっているのだろうか。「小さな頃から都市や遺跡とか、海や山、川といった環境的なものが好きでした。今回の展覧会テーマもそうですが、建築に周りの自然や環境がどう関わっていくかが、僕の大きなテーマです。周りの自然や風景と一体となり溶け込むような建築。それから、人が自由でいられる「環境」づくりですね。例えば、僕が提案し設計したなかにリビングルームにお風呂があるアパートメントがあります。お風呂がお風呂だけではなくて、お風呂に入りながらお酒を飲んだり、本を読みたいんですよね。日本にそういう部屋はありません。本来、建築とは人に希望や自由を与えるものです」と語る。多くの人が「え?」と思うことや常識、先入観を取っ払い、決まり事や型にはめない自由さが髙橋さんの作品の特徴でもあるようだ。
「マレーシアが好きになりました。移住したい気持ちもありますが、今、僕が勝負する拠点はあくまで日本です。どこも似たような風景になっていく今の世界の流れを食い止め、建築を通して新しい希望をつくることは、僕たち若い建築家の使命でもあるんです。日本だけでなくマレーシアでも、マレーシアらしさを模索しながら新しい建築を建てたいです」。

2019/08/01 | カテゴリー:この人のセニョ~ム

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