nanti ナンティ = いつか・こんど・あとで

nanti ナンティ = いつか・こんど・あとで

ある日のこと、夫と2人家でのんびりテレビを見ながら、紅茶を入れて、マドレーヌのようなお菓子を食べていました。テレビに東海岸の美しい海が映ったので、私が「行ってみたいね」と言ったら、夫の答えは「nanti」。ふと思い出して「お米がそろそろなくなるから買いに行こうよ」と言ったら、また「nanti」。もうお腹いっぱいだから残っているお菓子は冷凍しようと思って「食べる?」と聞いたら、「nanti」。
マレー語では、未来のことはすべてnantiで語られてしまいます。私としては、東海岸へ行くのは未来のいつかだろうと思うけれど、お米を買いに行くのは明日なのか、次の日曜日なのかはっきりさせたい。お菓子も今食べないなら蟻が来る前に片付けたい。ちなみに日本語なら「いつか行こうね」だと実現の可能性が低い気がするし、「今度行こうね」だったら近々行けるような現実味があります。また「あとで食べる」と言ったら、少なくとも今日中だろうと判断できますよね。
夫に言わせれば「未来のことはいついつ何をするなんて分からない」と、まあ「神のみぞ知る」というところでしょうか。こんなマレー人とは、きっちり時間の約束ができません。たとえば親戚が田舎から出てきて、私たちの家へ来ると言います。せっかくだから日本料理でも作ってあげたいわけで、いつ?と聞くと、先に他の親戚の家へ行くかもしれないし、雨で渋滞するかもしれないし、その時の気分次第だから分からない、と。ある日突然「今から行く」と言って一時間後に来たこと、また逆に来ると言うからそれなりに準備をしていたのに来なかったこと、色々ありました。
お互い前もって日時を決めて約束してしまえば楽だろうと思うのですが、夫は「前もって」がマレー人にとっては難しいんだと申しております。これには季節や風土も影響しているのでしょう。寒い冬が来る前に衣替えをして暖房を出しておく、地震がきても家具が倒れないようにしておく、日本人は常に前もって知恵を働かせて生きています。それに比べてマレーシアは常夏で自然災害も少なく、前もって何もしなくてものんびり生きていけます。でもね、どうしても私は聞いてしまう「だから、いつ?」と。いつになったら私の心は海のように広くなれるのでしょう。答えはnantiですね。

2019/08/01 | カテゴリー:わくわく!マレー語の暮らし

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