2018年6月-潮目は変わった

潮目は変わった

 「隣にいた旧知のグテーレス国連事務総長と昔話に花を咲かせていた。遠くを見ると、安倍首相がひとり所在なげに座っていた」。こう言うのは北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長。この2月9日、平昌冬季五輪の開幕式直前のレセプションの様子を日本からの訪問団に明かした。
 続いて「文在寅・韓国大統領に促されて席を立とうとすると、日本の通訳が呼び止めた。すると安倍首相が近寄ってきて立ち話した。安倍氏は『平壌宣言と(拉致被害者らの再調査を約束した)日朝ストックホルム合意に立ち戻りましょう』と言うので、私は日本の植民地支配に対する謝罪と賠償が先だと答えた」。
 この「秘話」を耳打ちしてくれたのは北朝鮮情勢に詳しい在京消息筋。彼は「米朝首脳会談が決まってから、安倍政権はいろいろなパイプで日朝首脳会談の可能性を打診してきたが、平壌からは『一切とりあうな』との指示が戻ってきた」。
 これはニュースだ。南北首脳会談当日の4月27日、ネットメディアで「『安倍政権は一切取り合うな』と平壌指示——北朝鮮問題で日本孤立浮き彫り」という記事を配信した。直後からものすごいスピードで拡散し、「閲覧者数」はあっという間に10万人を超えた。
 自慢するのが目的ではない。記事が配信されたのは「(日本が蚊帳の外に置かれたという)懸念は全くない」と、安倍首相が否定した直後。ちょうど漫才やコントの「ボケと突っ込み」効果が発揮され、拡散スピードが加速したのだった。
 これまでも記事が「2ちゃんねる」などネット掲示板を通じて“炎上"することはあった。多くは筆者を非難する内容だったが、今回は風向きが違う。むしろ「蚊帳の外」を否定する安倍発言にあきれ、「アベ政権をもうすぐ終わらせますから、(北朝鮮さん)仲良くしてください」などと、退陣を求める声が目立った。
 時々行く割烹料理屋で、いつもは「体制擁護」する常連客が「安倍さん、もううんざりだよ」と言うのを聞いて「あれっ?」と思った。「総裁三選は確実」という流れの潮目は変わった。「モリ・カケ疑惑」で高まる政権不信を「外交力」で突破すると意気込んだ日中韓首脳会談でも精彩を欠いた。
 「拉致」を優先し「圧力一辺倒」の主張に、中国、韓国とも首を縦に振らない。せっかくのホスト役なのに、「心ここにあらず」の冴えない表情だった。いま政権を投げ出せば、9条改憲は実現しない。でも心配ご無用。マレーシアのマハティール首相をごらん。92歳で15年ぶりに首相に返り咲いた。安倍さんは64歳。マハティール氏に倣えば、15年後の2033年に復帰のチャンス到来。その時まだ79歳である。(了)

オットット爺や

2018/05/31 | カテゴリー:オットット爺やのつぶやき

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