2014年1月−経済人類学者のリハビリ記、流刑地大陸からの脱出記、レイテ島台風被害が暗示する未来

月某日

kota8月中旬に脳出血を起こして以来、回復に向けてリハビリを続けている。一時は左半身が麻痺したので人生を諦めかけたりしたが、現地の理学療法士の指導で、不安定ながら杖無しで歩けるようになり、左手の機能もかなり回復し、トイレ、シャワー、着替えも自分でできるようになった。完全回復は無理でも、それに近い状態になるまで努力は続けよう。

そんなリハビリ中の私の気分を明るくしてくれたのは、栗本慎一郎『脳梗塞になったらあなたはどうする』(たちばな出版)だった。元明治大学教授であり、衆議院議員も務めた彼は、1999年に脳梗塞に襲われて、私と同じように左半身が麻痺したが、その後に独自に工夫したリハビリに努め、半年ほどでほぼ完全回復し、現役復帰を果たした。経済人類学者の彼は難しい本も出しているが、ウィルスによる人類進化の未来を説いた『パンツをはいたサル』で一躍有名になり、テレビなどで活躍するタレント教授だった。該博な彼は、脳梗塞と脳出血(脳溢血)の違いも説明しており、その面でも随分と役に立った本である。

X月某日

毎年恒例の、富士通と群馬県労働者福祉協議会による植林が、今年は11日間連続して開催されるので、体が不自由になった当初は自信がなかったが、その後のリハビリが順調で、後継者や家族らに支えられ、成功裡に乗り切ることができた。kota2富士通植林では、昨年も参加したオーストラリア人男性が、私との再会を喜んでくれ、来年は妻を同行させるという。

オーストラリアは、1776年の米国独立後に、イギリスの新たな流刑地になった。ジュディス・クック『地の果てからの生還』(徳間書店)は、1787年の第一回護送で送られた女囚メアリー・ブライアントの脱出記である。彼女は、4年後に家族と脱出したが、3ヵ月後にインドネシアのティモール島で拘束され、イギリスに送還された。その後、彼女に同情した弁護士が、1793年5月に恩赦を勝ち取って解放されたという、波乱万丈の史実だ。当時、同じ西洋人の英国人とオランダ人の仲の悪さに、現地人が呆れていた話も面白い。

X月某日

kota3フィリピンに超大型の台風30号が上陸して、レイテ島などで数千人の犠牲者を出した。フィリピンは私にとって1982年に熱帯農業研修のために初めて渡航した外国で、半年も滞在したので愛着があり、今回の被災には本当に心が痛む。また、被災の様子は、将来に異常気象と環境破壊で現代文明が破壊した途上国での様相を予見しているような感じがする。途上国ではなく先進国の、特に米国西海岸での文明崩壊の情景を、霊的体験のなかで予見した記録が、ハンク・ウェスルマン『スピリチュアル・ウォーカー』(早川書房)だ。

米国の文化人類学者の彼は、1983年にカリフォルニアで初めて体外離脱を経験。その後、ハワイで過ごした1985〜89年にかけての12回の体外離脱経験のなかで、5000年後の彼の子孫を通じて、「偉大な時代」と伝承された現代文明が、地球温暖化による世界中の海面上昇で滅亡し、無残な残骸をさらしている様子をありありと見た。科学者の彼はその体験が事実かどうか真剣に悩み、アニミズムの研究をするが、その知見も随所で述べられている。

三好良一

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