2016年12月−暗黒の共産主義、インドの神々のブロマイド ―残虐なカーリー女神

2007年から毎年実施している富士通による植林を、今年も現地関係機関や助手たち、それに家族の協力で無事に実施した。2005年で一応植林は終わっており、ここ数年は植林した木のメンテナンスが活動の主体であり、年間2回の報告も私が書いている。ご存知の通り、私は3年前から脳梗塞で左半身不随なのだが、若い人たちが私の代わりに頑張ってくれるので安心だ。

 

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私は高校時代に、当時猖獗を極めていたヴェトナム戦争について調べてから反米となり、同時に共産主義者となり、日本共産党の機関紙「赤旗」を読み、共産党の青年組織「民青」にも入った。1975年のヴェトナムの対米戦争の勝利には狂喜したものの、その後のヴェトナムとカンボディアとの戦争、ボートピープルの発生、カンボディアのクメール・ルージュによる大量虐殺などの事件に暗澹たる思いを抱き、共産主義に幻滅感を抱き始めた。1989年のベルリンの壁崩壊とその後の東欧諸国の政変、そして1991年のソ連邦崩壊の時には、冷めた目で事態を眺めていた。
さて、ステファヌ・クルトワ他の『共産主義黒書』(恵雅堂出版)は、フランスの元左翼知識人たちによってソ連邦崩壊後に初めてアクセス可能となった資料に基づいて書かれた本で、1917年のロシア革命後の各国での共産主義による殺戮をまとめている。それによると、中国で6500万人、ソ連で2000万人、カンボディアで100万人、そして北朝鮮、キューバなどで1400万人、総計約1億人の死者を出した。ソ連での死者は、革命直後の王政主義者、人為的なウクライナ飢饉、1937年から2年間にわたった大粛清、そして大東亜戦争(第2次世界大戦)などが要因だ。中国ではさらに規模が大きく、日中戦争と国共内戦、1949年の建国後の大躍進政策と文化大革命で多数の犠牲者を生んだ。こういう事実を知らなかったからとはいえ、一時期共産主義に入れあげていた自分に忸怩たる思いがする。
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サバ州にはインド系の人はあまりいないが、1997年から5年間KLに住んでいた時分に大勢のインド系の人やヒンドゥー寺院を見て、サバ州との歴史の違いを感じたものだ。タイプーサムでの信者の行列やバトゥ・ケイブの寺院を訪れたりして、インド文化・宗教と親しんだが、長谷川明『インド神話入門』(とんぼの本)は、その際に非常に参考になった。特に、ミルクの入った壺を頭に乗せて赤い舌を出して歩いていた女性は、人間の生首を首からぶら下げて舌を出して踊っているカーリー女神の絵と重なり合うものだった。カーリー女神やシヴァ神は体が青黒く描かれており、彼らが先住民のドラヴィダ族の神由来だということを示している。つまり紀元前1500年にアーリア族が攻め入った際に、彼らの神と先住民のそれとが融合してインドの宗教・神話を形成したわけだ。
彼らの原色を基調とした極彩色は、昔見た見世物小屋の看板や大漁旗の色彩を連想させ、昔の日本文化が、密教などを通してインド文化と繋がっていることを確信させた。将棋やチェスに限らず、空手や少林寺拳法やタイ式ボクシング、マレーシアのシラットは、インドの古武道がルーツだし、ゼロの発見も一応インドが起源だとされている。インドの超古代には、私が異星人由来だと思う超文明が栄えていたに違いない。


三好良一

2016/12/04 | カテゴリー:コタキナバル読書日記

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