2016年6月−天国と地獄のフィリピン、 ゲルマンの荒ぶる神、 友好的な宇宙人

私は33年前にサバ州に来る前はフィリピンで半年間の熱帯農業研修を受けたが、生まれて初めて女にもてて、舞い上がってしまった。何しろ日本では全然もてず、暗い青春だった。


82dokusho-日本を捨てた男たちX月某日

フィリピンで舞い上がるのは私だけではなく、多くの日本人男性が日本のフィリピン・クラブで出会った女に貢ぎ、女が帰国すると後を追って移住し、家や土地を買ったり、女やその家族のために散財して無一文になって、ホームレスになったり、貧しいフィリピン人に養ってもらったりしている。水谷竹秀『日本を捨てた男たち』(集英社文庫)にはそんな男性が10人ほど出てくるが、皆同じようなパターンで舞い上がり、そして転落していっている。
私も日本が嫌になって飛び出したところがあるから、彼らの気持ちはよくわかる。彼らのいう通り、帰国しても何となく周りの視線が気になるし、こちらにいるようには落ち着けない。現地の山奥の村でホームステイする日本の高校生たちが、現地では全人格を丸ごと受け入れられた気になるのも同じ心境からだろう。特に最近の日本は、住みづらくなっている。

 


82dokusho-現在未来

X月某日

深層心理学者のカール・ギュスタフ・ユンク(ドイツ語の原音に従う)の『現在と未来』(平凡社)は、第二次大戦直後から彼が発表し続けた、特にドイツの政治・社会に関する論文をまとめている。特に、第一次世界大戦後から彼が繰り返し見続けた全ヨーロッパ崩壊のイメージに刺激されて、日本のスサノオに対応する古代ゲルマンの荒ぶる神であるヴォータン(オーディン)がドイツ人の深層意識に影響を及ぼしたと説く「ヴォータン」が印象的だ。
ドイツは、19世紀初めはナポレオンの侵攻に悩まされたが、日本の明治維新の頃にフランスと戦って勝ち、その勢いで統一を果たした。その後、軍事や科学技術や経済も伸びて英国と肩を並べるほどに躍進し、愛国主義が勃興してきた。19世紀終わりにニーチェやヴァーグナーらがゲルマン精神を煽り、19世紀末にはゲルマンの森を逍遙する「ワンダーフォーゲル運動」が盛んになって、ナチス勃興のエネルギーを支え、世界に大被害を与えたのだった。

 



82dokusho-宇宙人ユミットの謎
X月某日

現在、地球に飛来している宇宙人は80種以上いて、なかには進んだ科学技術を人類に教えようとする友好的な宇宙人もいる。マルチーヌ・カステロほか『宇宙人ユミットの謎』(徳間書店)によると、1934年にノルウェイ船が発した信号を15年後にキャッチした宇宙人は、地球から約14・5光年離れたウンモ星雲のユミット星から、彼ら自身のテクノロジーにより半年かけてやって来た。フランス国境に近いスペインの丘に着陸し、数年かけて人類を観察し言語を習得した。
彼らは、北欧人そっくりの外見をしているために容易に地球文明に溶け込んだ。地球文明が彼らより数百万年古いので、地球人に彼らの知識を分け与えるために、世界中の多くの人たちに手紙を出し始めた。その内容が非常に高度なため、1960年頃には欧米の科学界でかなりの評判になった。ただし、日本には来ていないようだ。霊魂や死後の世界すらも彼らは科学として解明しているが、内容が難しいために、理解できる地球人はほとんどいないようだ。

 

三好良一

2016/06/04 | カテゴリー:コタキナバル読書日記

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