2011年7月号-遺産問題

日本人の主人とマレーシアに滞在し、かれこれ6年が過ぎました。子供達はそれぞれ独立し日本に住んでいます。去年、主人が突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまいました。その後日本の子供の所にお世話になる事も考えたのですが、このままこの地で住みたいと考えています。

 問題は主人の遺産です。主人の名義になっている家と銀行の口座がすべて凍結され、私が手をつける事ができません。幸い、日本からの送金があるので何とか食べていけますが、このまま凍結を放っておくと、遺産がすべてマレーシア政府のものになると聞きました。すでに半年以上も経っているのですが、主人の遺産を相続する方法を教えてください。

 お悩みのご主人の遺産は、マレーシアの法律に従って正当な受益者に与えられることになっています。もしご主人が遺言書を残していれば、その遺言書に従って「検認承認書(Grant of probate)」 という証明を裁判所から取得し、銀行口座などを含むすべての遺産を遺言書上に指名された受益者に配給されることになります。遺言書があれば、亡くなられた方の遺産を渡したい相手にきちんと譲渡できるわけです。

 ご主人が遺言書を残していない場合、ご主人の遺産は配給法条例1948年(1997年に改正)に基づき、配分される事になります。(例:遺産が10万リンギットで配偶者と子供がいる場合、配偶者がRM33,333・子供がRM66,666.66)。これはマレーシアの法律に従って正当な受益者が、「遺産管理の承認書(Letter of Administration)」を裁判所から取得します。

 いずれの承認書でもご主人の遺産を管理している機関(例えば銀行や土地局など)で認められたあとに、それらの遺産がすべて受益者に移されます。

 もし受益者が裁判所でそれらの承認書を取得できない場合、不動産の移転が不可能となり、銀行口座は凍結されてしまいます。凍結された銀行口座にある残高は一定期間を経てマレーシア政府管轄の別口座に移動されます。ただそれらは、遺産管理の承認書または検認承認書を提出すればきちんと戻ってくるようになっていますが、時間はかかってしまいます。従って、なるべく早く承認書を取得する申請を高等裁判所に行うことをお勧めします。

ラディ・スー(RaddySoo)


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