マレーシア最新芸術事情 2018年1月-マレーシアでホラー映画を鑑賞する

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マレーシアでホラー映画を鑑賞する

国際映画祭が開催されていた昨年11月最終週のシンガポールで、ケーブルテレビ放送局のHBOアジアから、ある記者発表が行われました。内容は、同国エリック・クー監督主導でホー・ユハン(マレーシア)、ジョコ・アンワル(インドネシア)など、アジア人監督6人によるオムニバスのホラー映画が製作されるというもの。日本からは先日マレーシアの日本映画祭で初監督長編作品『blank 13』が上映され、特別ゲストとしても登壇された齊藤工監督が参加。齊藤監督といえば、俳優「斎藤工」として主演作品であるクー監督の『Ramen Teh』が今年公開されると、10月の東京国際映画祭でも発表されていました。
 さて、このオムニバスの件、以前からほんの少しその噂を聞いていたものの、実はホラーだったということで、ホラー映画が大の苦手な私はちょっとがっかりした次第。12月に当地で公開されていたジョコ監督の『Pengabdi Setan』(訳:悪魔の奴隷)も、良い評判を数々耳にしていながらも怖くて観に行けていなかったところ、ユハン監督に「すぐに観に行かないとジョコが呪って出るぞ」と脅され、勇気を振り絞って観に行ってみることに。
 かつては歌手として活躍したものの今は病気で寝たきりの母、父と4人のこども、そして車椅子の祖母が暮らす墓地の隣の大きく白い家。上階の部屋にいる母は口もきけないため、家族を呼ぶためにベルを鳴らしますが、その母が物語の冒頭で何かに取り憑かれたようにして息を引き取ります。しかし彼女が葬られた直後から、夜中にベルが鳴るようになり、ベルをお墓に埋めてもまたその夜にベルが鳴り···。というストーリーですが、ドキドキはするものの、目をつぶりたくなるような怖いシーンはそれほどなく。それよりも、左斜め後ろの女性客のリアクションが激しくて、怖がる暇がないといった感じ。登場人物とほぼ同じタイミングでの絶叫、観客の「それ触っちゃダメ!」、「そっち行っちゃダメ!」という思いをすべて声に出して代弁するなどなど、可笑しくて思わず笑ってしまうほどでした。
 マレーシアに来るとローカルのホラー映画を観に行く友人が常々、「マレーシアでホラー映画を観るのは楽しい」と言っていたのはこういうことだったのかと初めて理解できた気がしました。きっと前述のオムニバス作品も、ここでならばホラー嫌いの私でも楽しく観れるのかな、と思ったのでした。

アティカ

2017/12/20 | カテゴリー:マレーシア最新芸術事情

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