マレーシア最新芸術事情 2018年3月-マレーシアの現代芸術史に触れるには(パート2)

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マレーシアの現代芸術史に触れるには(パート2)

先月号では、最近発行されたマレーシア芸術関係のアーカイブ本3冊をご案内しました。今回はウェブ系アーカイブのご紹介です。

■My Art Memory Project
(www.myartmemoryproject.com) 
 かつて非常に人気だった文化・芸術専門サイト「カキセニ」の創始者である、キャシー・ローランドが先導する「マイ・アート・メモリー・プロジェクト」は、舞台芸術を中心に公演パンフレットのアーカイブ、オーラルヒストリー(口述歴史)、芸術に対する検閲に関する記録、そして新聞など掲載記事の4項目に分かれ、時系列に沿って何が行われ、何が起こったかを見ることができます。

■Arts Education Archive Malaysia
(www.myartseducationarchive.com) 
 マレーシアにおけるコミュニティーアートの代表的存在、ペナンの「Arts-ED」の創設者で、長年その代表を務めたジャネット・ピレイ氏が立ち上げたサイト。舞台芸術から美術、映像などの芸術制作を通して、一般のこどもたちに各民族の文化・風習から環境、リサイクルまで、さまざまなことを体感させ学ばせてきた数多くの事業や試みは、どれも非常に興味深いです。

■️The National Artkives
(www.youtube.com/channel/
UCsWSotB_HiOLLEii_PtzqTA)
 音楽劇を中心にプロデュースしている「PAN Productions」が、マレーシア舞台美術界の大御所へのインタビューを実施。今年1月に第1弾がお披露目となったこのシリーズ、最初に登場したのは「klpac」(ザ・クアラ・ルンプル・パフォーミング・アーツ・センター)のエグゼクティブ・プロデューサーであるファリダ・メリカンと芸術監督のジョー・ハシャムご夫妻。今後も毎月1組のペースでインタビュー映像を公開予定です。
◆ ◆ ◆
 では、なぜ今アーカイブなのか? その理由の一つは「危機感」ではないでしょうか。独立してまだ60年のマレーシアでは、これまでアーカイブはさほど重要視されていませんでした。しかしこの10年でその発展に大きく貢献した著名人が次々に亡くなっており、彼らの全盛期を知る中堅層の芸術関係者たちが、「今残しておかねば!」と動き出したのではないかと思います。芸術は社会を映す鏡。これらのアーカイブから、マレーシアの歴史により深く触れることができるでしょう。

アティカ

2018/02/27 | カテゴリー:マレーシア最新芸術事情

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