マレーシア最新芸術事情 2018年2月-マレーシアの現代芸術史に触れるには

%e5%90%8d%e7%a7%b0%e6%9c%aa%e8%a8%ad%e5%ae%9a-1

マレーシアの現代芸術史に触れるには

独立60周年を迎えた昨年、マレーシアの文化・芸術界では今までにない数のアーカイブ的な書籍が出版され、オンラインのプロジェクトなども発表されました。芸術は社会を映す鏡。真のマレーシアの姿が見えてくるこれらの資料のなかから特におすすめのものを、今回は書籍系、次号ではウェブ系にまとめてご紹介します。

 『Staging History: Selected Plays from Five Arts Centre Malaysia 1984-2014』(キャシー・ローランド編/ファイブ・アーツ・センター)。
 2014年に30周年を迎えたアーティスト&プロデューサー、社会派芸術集団の「ファイブ・アーツ・センター」。舞台、ダンス、美術など、さまざまな種類の作品を通して“マレーシア”の姿を描き、人々のストーリーを語り続ける彼らの、31年という歴史における代表的なパフォーマンス15作品を集めた戯曲集。ラインナップからは世代交代も上手に行われているのが分かります。

 『Jit Murad Plays』(ジット・ムラッド著/マタハリブックス)。
 マレーシア現代演劇の優れた脚本家として知られるジット・ムラッドの、温かくも独特のウィットに富んだ代表的な戯曲を集めたもの。彼はまた、俳優としても大変素晴らしく、昨年日本各地でロングラン上映されたヤスミン・アフマド監督作品『タレンタイム』の、車椅子に乗って病室に現れる病人の役を覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

 『Rosalie』(サイダ・ラスタム著/SIRD)。
 作曲家のサイダ・ラスタムがマラヤ時代の音楽について、当時の情勢や娯楽・芸能事情などをからめて纏め上げた、非常に優れた書籍。マレーシア人でもなく、その時代を共有していたわけでもない私でも、読んでいくうちにそのノスタルジーの世界に入っていくことができるのは、何より著者のマラヤ音楽に対する深い愛を感じとることができるからでしょう。
 これらの書籍をお求めの際は、ぜひ「Gerak Budaya グラッ・ブダヤ」(www.gbgerakbudaya.com)へ。マレーシアに関する本を出版・販売している、今一番面白い本屋さんです。KL周辺ではPJに、ペナンでしたらジョージタウンにお店があります。

アティカ

2018/01/24 | カテゴリー:マレーシア最新芸術事情

このページの先頭へ