マレーシア最新芸術事情 2019年11月-ボルネオ先住民族の工芸品

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ボルネオ先住民族の工芸品

様々な先住民族の文化が色鮮やかな東マレーシア。
この数年、いくつかのNGO がアートバザーに頻繁に出店したり、プナン族の女性によって編まれたカラフルなプラスチック製のバッグが流行したりしていますので、彼らの工芸品もグッと身近なものになってきました。その一方で、生活苦による若者離れが進む上、都市部では各部族の言葉もだんだんに失われつつあります。
そんななか、マラヤ大学のCentre for Malaysian Indigenous Studies(マレーシア先住民族研究所)という研究所が、一般の来訪者向けに解放するスペースを敷地内の一軒家にオープンしました。運営しているのは、自身もサラワク州出身のビダユ族で、ジェンダー研究を専門とするDr. ウェリン・ジェホム。元々はその研究対象として、サラワク奥地でプアクンブという織物を織る女性たちを研究していたところ、布に織り込まれたモチーフの研究にも着手。一枚一枚の織物が語る物語を共有する展覧会を開催するほか、自ら投資して若手の育成にも貢献している人物です。そんなプアクンブをはじめ、オランアスリの作家による絵画作品や、サバ、サラワクからの工芸品などが、この研究所では常に販売されています。時折週末にはワークショップや上映会なども開催されていますので、気になる方は、ぜひフェイスブックのページでチェックしてみてください。
また、サバ先住民族の大事な生活用具であるカゴを収集・研究しているのが、コタキナバルにあるサバアートギャラリーの館長ジェニファー・リンギさん。彼女の右に出る人はいないであろうと思われるほどのカゴ収集家で、時間があれば一人でジャングルの中に入っていき、いろいろな部族の生活の中で使用されているカゴとそれにまつわる話をスケッチブックに記録。その集大成は昨年ついに本となり、今月には第2弾「A Journal of North Borneo Baskets」も出版予定だとか。元建築家ならではのそのスケッチには、もし将来そのバスケットを編める人が全くいなくなってしまっても誰かが復元できるよう、細かな詳細が記されています。サバの民族について深くそして楽しく学べるこの本は、私の大のお気に入り。サバアートギャラリーや、バンクネガラのギャラリーショップで購入可能です。
デザインとしても美しいボルネオ工芸品のモチーフですが、その意味を理解できるようになれば、もっと楽しむことができますね。

アティカ

2019/11/01 | カテゴリー:マレーシア最新芸術事情

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