マレーシア最新芸術事情 2019年5月-第30回マレーシア映画祭(FFM)の 受賞作品

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第30回マレーシア映画祭(FFM)の受賞作品

去る3月30日に行われ、TVで生中継されたマレーシア版アカデミー賞、マレーシア映画祭(FFM)。昨年は結構頑張って話題作を劇場に観に行ったこともあり、一体どんな結果になるのか、出席するセレブの豪華な衣装にあーだこーだ言いながら、TVの前に3時間以上も座り続けてしまいました。
2018年は、史上初の興行成績3000万リンギット超えが2作品も登場した年でした。黒魔術系でホラーの要素も強い『Munafik 2(ムナフィック2)』、B級をとことん突き詰めたホラーコメディーの『Hantu Kak Limah(ハントゥ・カッ・リマ)』。どちらも、マレー系一般庶民の心を鷲掴みにして、その偉業を成し遂げました。
しかしこの2作品、FFMでのノミネートはほとんどなく、賞レースはそれ以外の話題作が中心に。移民問題と警察官による汚職を描いた男のドラマ『One Two Jaga (ワン・ツー・ジャガ、邦題:十字路)』、自閉症の兄と共に暮らす弟の心温まる兄弟の物語『Guang (グアン、邦題:光)』、呪術師による殺人事件を題材にしたものの、13年前に公開目前で謎のお蔵入りとなった『Dukun(ドゥクン)』、マレーシア海軍特別チームの活動を描くアクション映画『Paskal(パスカル)』などが主なラインナップです。
結果、『One Two Jaga』が作品賞、監督賞をはじめとする計6部門で受賞。新人監督賞、美術デザイン賞など4部門で『Guang』が、また、主演女優賞や編集賞で『Dukun』が同じく4部門に輝きました。個人的に特に好きだったのは『Guang』だったので、もう少し多く受賞してもよいのでは? とは思ったものの、これまで質の低い作品を作りながらも映画界を牛耳っていた人たちが受賞することもなく、新しい風を感じることができたのは良かったかなと思います。
さて、FFMと言えば、その主催者は情報・マルチメディア省下のマレーシア映画振興公社(FINAS)。毎年作品賞の発表には同省の大臣がプレゼンターとして登場します。政権交代後初のFFMだったわけですが、前政権下では恐らく上映禁止になったであろう『One Two Jaga』が受賞し、現大臣がトロフィーを渡す絵面を見て、なんとな~く、「ほら、新政権下では上映・表現の自由が認められるようになったでしょ」と見せつけられているような気持になったのは、私だけではないのではないでしょうか。

アティカ

2019/05/04 | カテゴリー:マレーシア最新芸術事情

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