2013年11月-教えてドクター!! 第3回 「じんましん」の原因と治療法

Dr.Lee ■「じんましん」の原因と治療法

皮膚の一部が突然赤みをともなって盛り上がり、痒みや熱をもった状態となる「じんましん」。一般的には、症状が出始めてから6週間以内のものを「急性じんましん」、それ以上続くものを「慢性じんましん」と呼びます。

じんましんの原因となるのは、肥満細胞内にあるヒスタミンという成分です。なんらかの原因で肥満細胞からヒスタミンが分泌されると、その作用によって血管が拡張し、血管外へ血漿成分が染み出すため、皮膚が赤く腫れ上がります。また、ヒスタミンが皮膚の神経を刺激することによって、かゆみを感じるようになります。

一般的には24時間以内に腫れがひきますが、じんましんの一種である「血管性浮腫」は、まぶた、唇など顔面に皮膚病変が発生することが多く、かゆいというよりも痛みがある場合が多く、24時間以上持続します。血管性浮腫は、皮膚の表層で生じる一般的なじんましんと異なり、皮下組織など深いところで起こります。気道内に浮腫を生じた場合、呼吸困難となり、緊急に医療処置が必要となります。また、「じんましん性血管炎」の場合も、24時間以上腫れがひかず、腫れた場所に痕が残ることがあります。

■原因の特定は非常に困難

じんましんの原因の特定は難しいのですが、以下のような要因が考えられます。

①アレルギー・食べ物。ナッツ、イチゴ、柑橘類の果物、卵、食品添加物、貝等。以前は問題がなかったものでも原因となり得る。・昆虫に嚙まれたり、刺された場合。・ペニシリン、アスピリン、痛み止め等の薬。
②ウイルス感染。
③化学薬品、乳液、化粧品、植物等。

まれに膠原病など自己免疫疾患の症状のひとつとしてじんましんが現れることもあります。また、摩擦、日光、熱さや冷たさといった物理的な刺激が原因となる場合もあります。しかし、患者の大部分は健康なことがほとんどで、重篤な疾患の症状としてじんましんが発生することはまれにしかありません。

■過労やストレスは避ける

急性じんましんは一時的なものなので、通常、原因調査は不要です。繰り返し何度もじんましんを発症する場合はアレルギーを疑い、血液検査などアレルギーの原因物質を特定するための検査を行います。慢性じんましんはアレルギーが原因となることはほとんどありませんので、規則的なアレルギーテストは不要です。それよりも甲状腺の病気やウイルス感染などを疑う必要があるかもしれません。

治療方法としては、まずは原因因子を可能な限り取り除くことが大切です。アルコールや過労、ストレス、そして非ステロイド抗炎症薬を避けるようにしましょう。治療は経口の抗ヒスタミン剤が主な治療となります。痒みを和らげ、じんましんを鎮める効果がありますが、発疹の根本的な原因には影響しません。じんましんが消えてなくなるまで、継続的に摂取する必要があるでしょう。

小児内科、皮膚専門医 リー・ユー・チュアン医師
Consultant Paediatrician and Family Skin PhysicianMD (USM)
MRCP (Paed) (UK)
MMed (Paed) (S’pore)
Dip Dermatology (S’pore)

2013/11/05 | カテゴリー:【連載終了】教えてドクター!!

このページの先頭へ