2013年12月-教えてドクター!! 最終回 「椎間板ヘルニア」の4つの低浸襲な治療法

Dr.Sun腰痛の原因としてもっとも多い「椎間板ヘルニア」。椎間板ヘルニアとは、脊椎を構成する個々の骨「椎骨」の間にある軟骨(椎間板)が変形して飛び出し、周囲の神経を圧迫することで腰や足に痛みや痺れを引き起こす病態のことをいいます。

■手術するか、しないか?

治療法は大きく分けて、手術療法と、保存療法など切開手術によらない方法がありますが、手術するかどうかの判断は大変難しいところです。保存療法での反応が悪く、かつ手術治療の適応がない場合や手術を望まれない場合でも、体への浸襲度合いが低い治療方法が開発されてきています。

■低浸襲な手術という選択肢

切開しない治療療法には以下の4つが挙げられます。

1.保存療法
2.輪状成形術(Annuloplasty)
3.経皮的高周波椎間板減圧術(ニュークレオプラスティ)
4.硬膜外溶解(EpiduralLysis)

まず試されるのが保存療法で、休養をとり、投薬、注射、理学療法などが試されます。保存療法が奏効しない場合、2〜4の治療方法をとることになります。輪状成形術は、切開手術をせずに、特殊な注射針と高周波熱を使用する方法です。注射針から熱伝導線を椎間板の中に挿入し、約90度の高周波熱で15分程度加熱します。痛みの原因となっている神経を麻痺させ、また椎間板の壁を構成している繊維輪を硬化させることによって痛みを起こりにくくします。これは、椎間板が原因で背中の下の部分に痛みが発生している患者に適しています。椎間板内圧が高いと痛みも強くなるのが一般的なのですが、高周波加熱(コブレーション)を与えて髄核組織を分解し、椎間板を減圧するのが経皮的高周波椎間板減圧術です。高周波といっても40〜70度程度と低めなので、隣接する組織への影響が少ないという利点があります。これは坐骨神経痛の患者に適した治療方法です。過去2年間の治療成果をみても、いい結果が出ていることが最近の研究で示されています。硬膜外溶解は、特殊なカテーテル(医療用の管)と薬液で、神経と周囲組織がくっついているのを剥がしながら、痛みのもととなっている神経根部を治療する方法です。まずはヒアルロニダーゼを注入し、神経根部周囲の繊維を柔らかくします。次に、痛み止めの局所麻酔とともに炎症を抑えるステロイドを注入。最後に、腫れをとるために濃度10%の医療用高張食塩水を注入します。この治療法は、脊髄手術をした患者に対しても適応できます。

■日帰り手術も可能

2〜4の治療方法は、局所麻酔で行い、手術当日に帰宅することも可能です。重要なのはこれらの治療を受けたのち、再発防止のためのリハビリにきちんと取り組むことです。患者の症状を的確に見極めて診断し、治療計画を立てることが、脊椎の痛みを治療するうえで大変重要です。

整形外科、脊柱と外傷後遺症専門医 スンホックチャイ医師
MD(NUM), MS.Ortho.(UM), CMIA(NIOSH), AM(Mal.), F’ship in Spine Surgery (The University of Hong Kong)

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2013/12/05 | カテゴリー:【連載終了】教えてドクター!!

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