2015年12月- 教えて!先生 第2回 最近、 疲れやすく、 しんどい…

Oshietesensei-2016

 

「最近、疲れやすくてだるいんです。何もやる気がわかなくて…」このような症状を訴える患者さまが来院されました。症状から考えると「うつ病」のようですが、抗うつ剤を内服するも一向に改善されない、ということは少なくはありません。

実は、採血で診断がつき、そして適切な内服治療で症状が改善することがあります。その病名は「甲状腺機能低下症」です。甲状腺は首の前面部、のどぼとけのすぐ下に位置するアルファベットのH型をした小さな内分泌ホルモンを分泌する臓器です。正常の甲状腺は柔らかいので、触ってもわかりませんが、腫れると手で触ることができ、首を見ただけで腫れているのがわかります。甲状腺からは甲状腺ホルモンが分泌されており、食事などで摂り入れた「炭水化物、たんぱく質、脂肪」などの栄養素をエネルギーに変える新陳代謝を促進する働きがあります。そして、甲状腺ホルモンの量を調節するために脳から甲状腺刺激ホルモン(TSH)が分泌されます。

病気により甲状腺ホルモンの量が少なくなった状態を「甲状腺機能低下症」、逆に量が多くなった状態を「甲状腺機能亢進症」といいます。甲状腺機能低下症では上記の症状以外にもさまざまな症状が出現します。むくみや皮膚の乾燥、食欲がないのに体重が増える、脈がゆっくりになる、寒がりになる、便秘、昼間も眠いといった症状もみられることがあります。特に、むくみは「粘液水腫」と呼ばれ、圧迫してもへこまないのが特徴です。これらのむくみは足や目の上(まぶた)にもおこります。

診断は、甲状腺機能低下症が疑われれば、あとは簡単で、採血して甲状腺ホルモン(遊離チロキシン:FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定します。そして、超音波検査で甲状腺の状態(萎縮・腫瘍の有無)を確認します。さらに、一般的検査では、コレステロールやクレアチンキナーゼが高値になりますので、これをきっかけに甲状腺機能低下症が見つかることもあります。

治療も難しくはなく、甲状腺ホルモンとして、サイロキシン(チラージンS)の内服で治療するのが一般的です。甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンを測定して正常域に入れば、その量を長期に服用するだけで、薬の副作用が起こることはありません。

このように、甲状腺の病気でも「うつ病」と同じような症状を呈することがありますが、治療法はまったく異なります。採血だけで診断がつきますので、お気軽にご相談ください。

Chan 医師

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2015/12/07 | カテゴリー:教えて!先生

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