2016年6月-教えて!先生 第8回 黒なまず

Oshietesensei-2016「黒なまず」という病気をご存知ですか? 魚のような名前ですが、皮膚にできる病気の一種です。正式病名は「癜風」といいます。高温、多湿の環境で発症しやすく、熱帯地方では、人口の20~30%が感染しているとも報告されています。
この病気の正体は、癜風菌(マラセチア・ファーファー)という「カビ」。つまり、水虫と同じ真菌感染症です。癜風菌は皮膚の常在菌で毛孔・皮表に存在します。成人ではほぼ100%検出できるともいわれています。弱い菌で病原性は低いのですが、汗をかきやすい、脂っぽい等の様々な要因で発症します。菌の繁殖力よりも、患者さんの菌に弱い体質、皮膚の状態に応じて菌が繁殖しやすくなるようです。
幅広い年齢層で発症しますが、20〜40代の青壮年に好発し、男性に多い傾向があります。好発部位は背部、胸部、頸部、上腕、腋の下など汗をかきやすい場所であると同時に、脂漏部位といって皮脂の出やすい場所でもあります。小児では顔面に生じることがあります。症状は、細かい皮膚表面からはがれかけている角質のようなものが付着する淡い褐色の斑点や白い脱色斑が認められます。色素斑・脱色斑をよく見ると少しざらざらしていて表面を擦ってみると非常に細かいフケ状の粉が出てきます。これがこの病気の特徴です。これは、菌が増殖した部分の油分が抜け、乾燥した状態になるためです。保湿剤を使用するとかえって病変が悪化することがあり、注意が必要です。この粉を顕微鏡で見ると中に癜風菌の菌糸や胞子が認められ、診断の決め手となります。痒みはほとんどありません。
治療方法は決して難しくはありません。抗真菌剤の外用薬を用いて、角質層の癜風菌を追い出すまで根気よく続けます。治ったように見えてもしばらくすると再発することが多いので、完治までに数年かかったり、治った後も感染部分の皮膚が元の色に戻るまで何ヵ月もかかることもあります。汗と皮脂の分泌量が増える環境下では皮膚を清潔にして癜風菌が増え過ぎないようにします。汗をよくかく人は汗をかいたらこまめにシャワーを浴び、入浴時には石けんで体をよく洗います。衣類は通気性がいいものを選び、こまめに着替えるのがいいでしょう。
痒くない、カサカサしたわずかに色素沈着を伴った斑点が治らない時は、医療機関に受診して癜風かどうか確認することをお勧めいたします。いつでもご相談ください。

 

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Chan  医師

国立マラヤ大学の医学部を卒業後、政府系病院やプライベートホスピタルにて数多くの症例を経験。プライベートでは1歳半の男の子の子育てに奮闘中。休日は家族で外出するのが楽しみの一つ。

ひばりクリニック

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2016/06/04 | カテゴリー:教えて!先生

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