2012年3月-第17回

 

★こんなタイプの子は、時には、失敗をほめましょう

 最近の子のなかには、とても敏感で、大人の気持ちを常に察知する、「手のかからない、いい子」が増えてきています。

 聞き分けはいいし、自分で何でもするし、そうでない子の親御さんにとっては、「うちの子も、ちょっとは見習ってほしいわ!」という感じなのですが、逆にそういう子の親御さんは、「こんなに手がかからなくていいのかしら?」「反抗期がなくても大丈夫かな?」と不安になっておられます。

 こういうタイプの子は、いったんいい子になってしまうと、なかなかその枠組みから外れることができません。こちらから、「そんなにがんばらなくてもいいよ」「もっと甘えていいんだよ」「そんなに気を遣わなくてもいいよ」と言っても、どうしたらいいのかわかりません。結局、やっぱりいい子になってしまいます。かといって、ほめても、よけい、いい子に拍車がかかってしまうので、うまくいきません。

 では、どうすればいいのか。私は、そういう子には、「失敗をほめる」というやり方がいいと思っています。本人は、いい子でなくちゃいけない、大人の期待にこたえなきゃならない、と、能力の120パーセント、150パーセントがんばっています。それはとてもたいへんなことで、どこかで疲れがたまってきてしまいます。でも、そんな子でも、たまには、失敗するとき、がんばれないときがあります。それを積極的にほめていくのです。

 「あんたも失敗することあるんだねー。でも、そういうところも、とっても人間らしくていいよ。がんばってる○○ちゃんもいいけど、こういうドジする○○ちゃんもいいなー」と言うのです。そうすると、今までいい子にならなきゃ、失敗してはいけない、と思って気を張り詰めていたのが、ほっとした表情に変わります。

 いい子じゃないと、ここにいちゃいけないんだ、と思っていたのが、いい子じゃなくても、ここにいていいんだ、と思えるようになります。これが自己肯定感です。そうすると、だんだん自己主張が出てくるようになります。今まで手がかからなかった子が、逆に手がかかるようになってきます。親としては、ちょっとたいへんなのですが、われわれからすると、ここまでくれば、もうOKです。あまりに子どもがいい子になっている、いわゆる過剰適応が心配される場合は、こういう対応のしかたもあるのです。

明橋大二(あけはしだいじ)

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