2012年5月-第19回

★いいところも悪いところも愛される

 子どもをほめて育てることは、とても大切です。同時に、子どもが怒ったり、泣いたり、ギャアギャア言ったり、だだをこねたり、いわゆるマイナスの感情を出してきたとき、それを受け止めることも大事です。一言でいえば、「自分のいいところも悪いところも引っくるめて、受け入れられ、愛されている」という感覚を育むことです。これがいかに安心感となり、自信になるかは、逆のことを考えればわかってもらえると思います。

 家族から、いいところは認められるけれど、悪いところは拒否される。よい行為を重ねると、ポイントが上がり、家族として存在を許されるけれど、悪いところが重なると、ポイントが下がり、ある一定ライン以下にポイントが下がると、家族から排除されて追放される。

 こういう関係は、会社ではありえても、家族とはとうてい思えません。どうしてでしょうか。それは、家族というのは、いいところも悪いところも含めて、受け入れ合う、そして支え合う、そういうものだからです。

 ところが、今の子どもたちは、「自分のいいところも悪いところも、みんな受け入れられ、愛されている」と思えない子どもが増えています。叱られることが、子どもにとっては、あたかもマイナスポイントがどんどん増えていって、そのうち、家から追放されるんじゃないか、という不安に結びついているかのようです。「そんな悪いところも受け入れていたら、社会で通用しなくなるじゃないですか。社会はそんなに甘くないでしょう」と言う人もあると思います。

 しかし、自分のことを考えてください。会社で叱られて、「こんなことが続いたら、おまえはクビだぞ!」と言われて、落ち込んで家に帰ってきた。ところが家では、みんな自分の帰りを待ってくれている。変わらず自分に接してくれる。こんな自分でも受け入れてくれている。そう思って初めて、気持ちが癒やされ、また明日もがんばろう、と思えるのではないでしょうか。

 子どもも同じだと思うのです。

明橋大二(あけはしだいじ)

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