不定期連載第2回- 海外で考える「将来」と「お金」の話

へそくりの隠し場所と「ポートフォリオ理論」

今回は、「ポートフォリオ理論」のお話です。「ポートフォリオ」なんてあまり聞くことのない単語かもしれませんが、実はいたって当たり前の考え方をもちいて資産運用や管理をしましょう、という内容です。

例えば、100万円の「へそくり」があるとします。もちろん、家族には内緒です。さて、家のどこに隠しましょうか? 誰も開くことがなさそうな百科事典の中か、冷蔵庫の奥深くか…。「ここなら絶対に見つからないでしょ!」と思える一つ目の隠し場所を考えたら、「でも、隠し場所は一つで大丈夫か?」という疑問が湧きませんか? 100万円を一つの場所に隠して、見つかってしまったらすべてがパーではやってられない。「ならば、2つの隠し場所に50万円ずつ分散させよう」と思うのは、いたって自然でな考え方ではないでしょうか。

これがポートフォリオ理論の基本的な考え方です。資産管理に話を戻すと、例えば、日本国内における日系企業の特定分野の株式のみに投資をすることは、「地域・国」「分野」「資産の種類」が一つに集中しており、
「100万円のへそくりを一箇所に隠している状況」といえます。それはペイオフ制度で守られる通常預金であっても同様で、いくら安全と思われる管理方法でも、一箇所集中はポートフォリオ理論的にいうと〝間違い〝となります。

もう一点気をつけなければならないことは、自分にとって経験値の高いもの(何度も見たことがあるもの、所有した期間が長いものなど)に関しては、気づかないうちに期待値や信頼値が高くなる傾向があるということです。へそくりの話にしても、自分の行動範囲から考えて一番安全だと思う隠し場所を思いつくはずです。この心理的な傾向によって、資産の管理内容が偏ってしまう場合が多々あるのです。

皆さんが自分自身で考えて実行している資産管理に関しても、一度距離を置き、客観的に見直してみるのもいいのかもしれません。

柏村 信光

クエスターキャピタル
UnitA-20-16, Level20,
Menara UOA Bangsar 5, KL
Nobumitsu.k@questor-capital.com

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