2017年10月-99回 トコジラミ

日本では布団やソファに繁殖するダニに悩む人が多いようで、さまざまなダニ取り専用殺虫剤が売られている。ダニは当然マレーシアにもいると思われるが、寝ている間に身体が痒くなる場合はダニだけでなくトコジラミ(Bed bug)についても疑ってみる必要がありそうだ。
和名はシラミとなっているが、実はカメムシの仲間。英名通りベッドのマットレスの隙間などに潜んでいて、夜になったら寝ている人を刺して血を吸う。俗称である南京虫といえば聞いたことがある人もいるだろう。蚊はそのうち痒みが去るが、トコジラミの場合、激しい痒みが数日間も続くのが一番つらいところだ。
英字紙『ザ・スター』によると、マレーシアではトコジラミの被害が増加傾向にあり、害虫駆除業者への依頼が大幅増加しているという。被害が広がっている原因について専門家は、ヒトの移動が増えたこと、海外からの旅行者が増加していることを挙げている。スーツケースや衣類などに潜んで旅行先から持ち込まれたり、公共交通機関で移動中に座席シートから衣類についてくる可能性があるというわけだ。業者への駆除依頼の83%が住宅からだが、ホテル・リゾートからの依頼も8・5%に上っている。たとえ5ッ星ホテルであっても旅行先のベッドには注意したほうがよさそうだ。
僕はバックパッカー時代、ケニアのナイロビの安宿に泊まっていて散々トコジラミにやられたことがある。マサイマラ国立公園で1週間キャンプしてもライオンに齧られなかったのに、まさか街中の宿屋で齧られるとは思わなかった。トコジラミは明るいところが嫌いらしく電気を消すと出てきて、電気をつけると大急ぎで退散する。身体が赤っぽく体長5ミリ程度なので白いシーツの上では見つけやすい。次々に引っ捕らえては「圧死刑」に処したがきりがない。翌日、宿屋のオバさんに言って部屋を替えてもらったが、それで痒みがとれるわけではない。痒みが完全に消えたのは1週間も経ってからだった。

伊藤祐介

2017/09/29 | カテゴリー:自然のはなし

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