2018年10月-111回 ニシメガネザル


小型のサルといえば、メガネザルを思い浮かぶ人も少なくないだろう。勉強しすぎたため(ウソ)小学校の時にクラスで真っ先に近眼になってメガネをかけた僕としては、個人的に非常に親近感のある動物である。
世界最小のサル、マダガスカルのピグミーネズミキツネザルの体長はわずか6センチメートル、体重30グラム程度とされるので、12~15センチメートル、体重100~120グラムもあるメザネザルはさほど小さいとは言えないかもしれないが、それでもかなりのミニサイズだ。
マレーシアではボルネオにニシメガネザル(Horsfield’s Tarsier)が生息しているが、小型な上に夜行性なので僕は残念ながらお目にかかったことがない。近縁種のフィリピン・メガネザルには、ボホール島のメガネザル保護研究施設で対面したことがある。金網に囲まれた薄暗い飼育林に飼われているのだが、案内者がいなければどこにいるのかまったく分からない。
さっそく抱かせてもらった(というよりチビなので手の平の上にのせてもらった)のだが、小型の動物の例に漏れず、体温維持のために身体の毛は細くて多くて、柔らかくてフワフワ。外見は丸っこくみえるが、手で撫でると身体はかなりスリムだということがわかる。
あまりに眼球が大きいので動かすことができず、顔ごと動かして物をみる。この顔をクリクリと傾げる様子が可愛い。夜行性の動物はタペタムという反射膜を網膜の裏側にもっているのだがメガネザルはこれをもたない。夜の生活に対応すべく眼球が大きくなったらしい。
チビのくせに握力が強いのは樹上生活をしている動物の特徴で、メガネザルもスゴい。観察が終わって飼育員に戻そうとしても嫌がって僕の手にしがみついて離れない。好かれるのはうれしいがどうにも困ってしまった。動物の女の子にはモテるのに人間の女の子にはモテないのはどうしたことか。

伊藤祐介

2018/10/01 | カテゴリー:自然のはなし

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