2018年2月-103回 ジンベイザメ


世界最大の魚、ジンベイザメ(Whale shark)。体長は最大15メートルほどになるとされるが、20メートルを超えるとの説もある。エサはオキアミなどのプランクトン。大きな口で海水ごと吸い込みエサだけを濾しとる。このような食事の摂り方を濾過摂食という。ヒゲクジラやマンタなども同様だ。
僕はオーストラリア北西部のエクスマスでジンベイザメに対面したことがある。いわゆる「ホエールウォッチ・スイム」というやつで、ゆっくり海面を泳ぐジンベイザメに寄り添うように泳ぐことができるアトラクションだ。セスナ機が上空からジンベイザメを見つけてボートに連絡して誘導するという仕組みなので、ほぼ確実にジンベイサメに会えるようになっている。
全員シュノーケリングのスタイルでボートのデッキに待機し、ボートがジンベイザメに並走する形をとった瞬間に一斉に飛び込む。もたもたしていると置いてけぼりを食って、はるかかなたをジンベイザメが去っていくのを悲しく見送る羽目になる。
僕が対面したのは6メートルほどの若い個体だったが、口の大きさは1メートルほどもあって、近づくと大量の海水が吸い込まれている感じが肌感覚で伝わってきた。運がいいと手で触れられるほどの近くまで接近できるが、もちろんここではタッチはなしよ♥
きれいな亜熱帯・熱帯の海にいるイメージが強いが、マレーシアではボルネオの美しい海だけでなく、濁ったマラッカ海峡にも多数生息している。ペラ州ルム港では時々水揚げされたとの報道がある。以前チャーター船でマラッカ海峡のど真ん中にあるジャラク島でダイビングをしたことがあるが、海水は濁った緑色で視界は10メートルもなかった。ジンベイザメにとってはこうした濁った海の方が、人間に煩わされることもなく案外平和に暮らせるのかもしれない。

伊藤祐介

2018/01/24 | カテゴリー:自然のはなし

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