葡萄酒 百味旅 ~最初のひとくち 想いの滴~

 第3回 魚には白ワイン、肉には赤ワインが合う?

 

夫婦で晩酌。一本のワインをゆっくり楽しみながら語り合う。これこそが、夫婦円満の秘訣らしい。ニュージーランドにあるオタゴ大学の研究により発表された本当の話。
「魚には白ワイン、肉には赤ワインが合う」。料理とワインの組み合わせを語る際、広く使われてきたこの言葉。古くは上流階級のイギリス人がレストランで食事する席での決まり文句、紳士のルールだったらしい。それがアメリカに伝わりその後日本へ。かつて日本人がワインという新しい文化を理解する上で一役買ったのがこの言葉。分かりやすさが受け入れられた。それが現在まで続いている。ただ、今のご時世にはちょっと合わないこの言葉。そこを解説してみたい。
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「魚に白ワイン」。もちろんそれが白身魚なら間違ってはいない。だが、例えば「鰹のたたき」なんて料理はどうだろうか? 赤身の魚だ。この場合は赤ワインの方が合う。カベルネソーヴィニヨンのほのかな苦みが、焼けた鰹の皮と好相性を見せるだろう。

「肉に赤ワイン」。ビーフステーキを食べた時の脂っぽさを赤ワインのタンニンが洗い流してくれる。口の中がサッパリするわけだ。ちなみにタンニンとは赤ワインにある苦み成分のことを言う。ではチキンやポークならどうか?白身の肉だ。こっちには断然白ワインが合う。塩の利いた焼き鳥に、キリッと冷えたソーヴィニヨン・ブラン。最高の組み合わせと言っていいだろう。
ここまではご理解いただけただろうか? では、もう少し深く入っていこう。
豚肉は白い肉なので白ワインが合うと言った。だが、その調理方法は様々。さっぱりした豚しゃぶには白ワインだが、こってりした豚の角煮には赤ワインが合う。この場合、食材ではなく仕上がった料理の色と料理の「重さ」にワインを合わせていく。焼き鳥もそう。塩なら白ワインでよいが、タレなら赤ワインが合う。チキンステーキ・レモンソースには白、鶏の照り焼きには赤、同じ理屈である。あっさり系には白、こってり系には赤がいいってこと。
料理とワインの合性をフランス語で「マリアージュ(結婚)」と言う。今宵、奥様の手料理に合うワインをご主人が選ぶ。語り合う夜。夫婦円満の秘訣。末永くお幸せに。

 

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塩見 正道

 

2016/10/10 | カテゴリー:葡萄酒百味旅

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