Dr. 江頭の健康相談の記事一覧

2012年2月-Dr.江頭の健康相談

 

 

 

喫煙の害「肺気腫」  

喫煙が肺がんの原因になるということは広く認識されています。さらにそれ以外のがんの発生率が高くなるということをご存知の方も多いのではないでしょうか。このため日本政府もようやく「健康増進法」を制定し、禁煙運動を盛り上げています。その結果か、喫煙率は特に男性において低下してきており(女性の喫煙率はあまり下がっていない)最近のデータによれば喫煙率は30%以下まで下がっています。

 しかし、一方では「喫煙者のすべてが病気になるわけではない」ので、相変わらず喫煙を続けている人が多いのも事実です。今回は喫煙ときわめて関係が深い「肺気腫(はいきしゅ)」について考えて見ます。  

 肺気腫はその程度の差こそあれすべての喫煙者に発症する病気です。 しかし、実際にその症状が自覚されるようになるまでには非常に長い年月が必要で、多くの喫煙者は70歳過ぎぐらいから症状が強くなってきます。また、主な症状も「息切れ」と、ありふれた症状のため「年のせい」と、して見過ごされてしまいがちです。  

 この「息切れ」の特徴は「息は吸い込めるが、はくのに時間がかかる」、「早く息をしようとすると、”ぜーぜー”と喘息のような音がする」といったものです。進行するとこの症状が次第に悪化し、少し体を動かしただけでも息切れするようになり、最終的には酸素ボンベで吸入をしながら生活をしなければならなくなります。  

 肺気腫を早期に発見するには自覚症状に頼るだけでは不十分で、定期的に病院で検査を受ける必要があります。それには「肺機能検査」と「CT検査」の二つの重要な検査があります。肺機能検査は通常の人間ドックの検査項目に入っているものですが、CT検査は希望しないと受けられません。特にCT検査は肺気腫の初期変化が分かるので早期発見には有効です。特に喫煙者はこれらの検査を定期的に受ける事をお勧めします。

 肺気腫は現在日本には約800万人の患者がいるといわれ、近い将来、死因のトップ5に入ってくると予想されています。従って特に喫煙者はこの病気に気を付け、早期発見・早期治療を心がけてください。悪化する前に進行を止めることができます。もちろん、禁煙することのほうが大切であることは当然ですが・・・。

江頭省吾

===================================================
*皆さまからの健康相談を受け付けております。
具体的な相談内容をeditor@senyumpress.comまでお送りください。===================================================

2012年02月10日
コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: Dr. 江頭の健康相談

2012年1月-Dr.江頭の健康相談

 

 

運動・体重・ダイエット

  体重管理は生活習慣病の予防に欠かせないものです。もちろん体重を増やさないように、更に減らすことが目的となります。体重は年齢とともに増加しやすくなります。それは、運動不足に伴い、体の筋肉量が減少するとともに基礎代謝が減少するため、同じカロリーを摂っても蓄えやすくなるためです。従って年齢が上がると体重管理に努力が必要となります。

 身体の脂肪を1キロ落とそうとすると約7000キロカロリー(以下カロリー)消費する必要があります。大人はその体重を維持するために一日体重1キロ当たり30〜35カロリー必要です。つまり、体重60キロの大人は一日に約2000カロリー食べることになるので、3〜4日断食すれば1キロやせることができます。ただ、運動して汗をかき体重が1、2キロ減った場合は身体の水分が減っただけなので1、2日で元にもどります。これを体重が減ったと間違えないようにしなければなりません。

 例えば右のような人が、食べる量(摂取カロリー)を一割だけ我慢したとします(腹9分)。この場合、一日で約200カロリー減らしたことになるので1ヵ月続けると約6000カロリー、半年で3万6000カロリー削減したことになります。これは約5キロの体重を落とすことのできるカロリーです。このようにあきらめずにダイエットを継続すると体重は自然に落ちて行きます。まさに「継続は力なり」です。生活習慣病の方が体重を減らして血液検査結果を改善させるには、その方の体重の約5%が減ると期待できると言われています。つまり体重60キロの人の目標は3キロとなります。

 それでは200カロリーとはどの位のエネルギーなのでしょうか?

 正確に詳細を知るには食物換算表などやネットで分かりやすく解説されていますが、大雑把には次のように考えて頂ければあまり間違いはないと思います。食事なら、米のご飯茶碗一膳(市販のおにぎり1個)、缶ビール1缶、運動なら、軽いウォーキング約1時間、ジョギング約30分、などに相当します。

 1ヵ月に数キロ体重が減るようなダイエットは体に無理があるだけでなく、長続きせず結局リバウンドがきます。決して1ヵ月に1キロ以上減るようなダイエットはなさらないようにして下さい。

江頭省吾

===================================================
*皆さまからの健康相談を受け付けております。
具体的な相談内容をeditor@senyumpress.comまでお送りください。===================================================

2012年01月05日
コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: Dr. 江頭の健康相談

2011年12月-Dr.江頭の健康相談

 

 

医療保険について

 今回は医療保険について考えてみましょう。私たちが医療保険に加入する場合、①海外旅行傷害保険、②日本の健康保険(国保・社保・企業健保など)、③現地で加入する民間医療保険、④勤務先の会社が加入している保険などが考えられます。今回は「旅行傷害保険」と「日本の国民健康保険」について考えてみましょう。

 先ず旅行傷害保険ですが、これは日本を出国する前に日本で加入することになっています。大手損保会社が取り扱っており、期間も短期旅行から長期滞在まで様々なものが用意されています。この保険は基本的に急病や外傷(けが)を対象としたもので、慢性疾患など年余にわたり治療が続くものは対象としておりません。従って、新しく罹った病気の場合は手術費用も含め補償額の範囲内であれば保険が全額負担してくれます。しかし、加入時より既にもっている病気(いわゆる持病)は補償の対象となりません。更に、契約内容によって多少違いはありますが、多くは一つの病気で180日までしか保証されないので、それ以降は自費となります。

 次に日本の健康保険についてですが、この保険は日本に住民票のある方なら誰でも加入できる保険です。この保険は海外においても利用することができます。ただし、一旦は医療費の全額支払い、後日書類を保険者(国保に場合は役場)へ提出すれば約7割がかえってくる、といった形となります。この保険はすべての病気が対象となる点と期間に制限がない点が旅行傷害保険と異なり便利です。生活習慣病など持病のある方はこの保険を利用されることをお勧めします。ただしこの保険にも制約があり、医療費が日本の医療費を上回らないことが条件となります。米国のように医療費が日本を大きく上回る場合は、常識的な日本での医療費を想定し、その7割しか負担してくれないので、結果的には自己負担額が大きくなってしまいます。マレーシアでは私立病院の医療費でも日本の医療費とあまり変わらないので利用価値が高いと思われます。

 このように保険でも性格の違いがあるので、自身の状況を考えて加入してください。

江頭省吾

===================================================

*皆さまからの健康相談を受け付けております。

具体的な相談内容をeditor@senyumpress.comまでお送りください。===================================================

2011年12月05日
コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: Dr. 江頭の健康相談

2011年11月-Dr.江頭の健康相談

 

 

予防接種について

 今回は予防接種について少し考えてみましょう予防接種の目的は、1.その病気にかかると大変な目にあうのでそれにかからないようにしたい、または、かかっても軽くすませたい、2.多くの人の健康に悪影響が出ること、また、経済・社会問題となるので大流行を防止したい、といったことが考えられますが、両者の性質をもっているものもあります。例えば前者に は、破傷風・日本脳炎・B型肝炎など、後者には麻疹(はしか)・風疹・ 百日咳などがあります。日本で受け ることになっている予防接種は諸外 国でも必要で、特に留学する場合はその接種記録の提出が義務付けられている場合もあります。

 さて、当地に長期滞在で来られる場合に推奨される予防接種はインターネットなどで調べると、破傷風・ A型肝炎・C型肝炎・日本脳炎・腸 チフス・狂犬病・麻疹・風疹・おたふくかぜなどが挙がっているようです。

 これを子供と大人に分けて考える必要があります。子供 の場合は日本で受けてきたものを途切れないように継続することが大切です。特に忘れがちなのは小学生高学年から中学生の時期に受ける もので、①DTワクチン(ジフテリア・破傷風)、② MRワクチン(麻疹・風疹)、③日本脳炎ワクチン(第二期)です。大人の場合は肝炎ワクチン(A及び B、3回接種、期間6ヵ月)が重要で、 いずれも希望しないと接種されないので注意が必要です。破傷風もある程度必要と思われますが、子供のころ三種混合ワクチンを受けている方は1回接種で問題ないでしょう。腸チフスと狂犬病については田舎での生活や仕事が多い方には接種しておいた方が無難かもしれません。

 他には、インフルエンザワクチンも重要で、日本の流行時期に合わせ1年に1度接種されることをお勧めします。また、女性はヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頚癌防止)も大切で、接種時期は中学生ぐらいが適当だと思われます。

 予防接種は様々な病気の発症や重症化を防止できるばかりでなく、 周囲の人たちへ広めないためでもあるので、なるべく受けるようにして下さい。

江頭省吾

===================================================
*皆さまからの健康相談を受け付けております。
具体的な相談内容をeditor@senyumpress.comまでお送りください。===================================================

2011年11月05日
コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: Dr. 江頭の健康相談

2011年10月-Dr.江頭の健康相談

 

 

健康診断について

 一年に一度受けることになっている健康診断について考えてみましょう。日本における健康診断は主に生活習慣病と癌の発見が目的となっています。検査項目は大雑把に分けると、1.身体測定・血圧・血液検査は主に生活習慣病や肝臓・腎臓障害など、2.胸部X線検査・胃バリウム(胃カメラ)検査・腹部超音波検査は主に癌について、3.心電図検査は心臓病、のチェックが目的となります。しかし、このなかで1と3は異常の有無は分かっても、病名やその程度(深刻度)については分かりません。従って、異常がある時は必ず精密検査を受けることが必要です。2は検査結果が診断とほぼ一致するので、これに引っかかった場合は病名を予測しながら精密検査を受けることになります。このように健康診断の結果が示す意味がそれぞれ違うので、受ける側はそれをある程度知っておくことが大切です。そして可能な限り結果説明を受けてください。それができない時は必ず「かかりつけ医」に相談することが必要です。

 健康診断の項目には時として気になっている病気についての検査が入っていない場合もあるので、事前に受けるべき項目(オプション検査など)について相談しておくことをお勧めします。例えば、肺がんが気になる方は胸部X線検査ではなくCT検査にしてもらう、などです。

 それでは、健康診断は一年に一度受けるのがよいのでしょうか?身体の変化や病気の進行などを考慮すると、やはり一年に一度程度が適当だと思います。例えば健康診断の直後に病気の芽が発生した場合、翌年に気が付けば何とかなる場合が多いからです。しかし、気になる症状などが出てきた場合は一年待たずに検査を受けてください。何か見つかることもあります。もちろん病気をもっている方は、2〜3ヵ月に一度はチェックを受けるべきです。特に年配の方は持病がある場合が多く、また病気になる確率も高いので、症状がないからといって長期間放置しないようにして下さい。

江頭省吾

===================================================

*皆さまからの健康相談を受け付けております。

具体的な相談内容をeditor@senyumpress.comまでお送りください。

===================================================

2011年10月05日
コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: Dr. 江頭の健康相談

2011年9月-Dr.江頭の健康相談

 

 

生活習慣病と動脈硬化

 食習慣が豊かになって高カロリー・高脂肪食を多く摂取するようになり、かつ、運動不足が続くと最近話題の「メタボリック症候群(メタボ)」が増えてきます。メタボは生活習慣病の前身なので、結局はその代表である高血圧・高脂血症・糖尿病が増加する結果になります。生活習慣病がやっかいなのは長年放置すると動脈硬化性の病気を引き起こし、治療に難渋したり治療費が高額になったりで、生活の質(クオリティーオブライフ、QOL)が低下してしまうからです。この様になるまでに何とか手を打たねばならないのですが、この生活習慣病は症状がないことが多いばかりでなく、次の段階(心臓病・脳卒中・腎臓病など)に進むまでに10年以上かかるため、当事者もなかなか治療に取り組まない傾向にあります。更にこの病気は発病してしまうと自然治癒せず、場合によっては徐々に悪化することがあるため、根気強い治療が必要となります。

 これらの生活習慣病は以前「成人病」と呼ばれており、40-50代になって発症することが多い病気です。これらを放置すると50-60代で次の病気を引き起こすため、その年代になると心臓発作や脳卒中などで倒れる方が増えてくることになります。現在の日本人の平均寿命を考えると、この年齢でQOLが低下すると長期にわたり苦労することになります。従って、この段階に至る前の生活習慣病の段階でしっかり治療することが大切で、更に最近ではその全段階であるメタボを何とかしようという流れとなってきています。

 生活習慣病に正しく対応するためには、まず、自身がどの様な生活習慣病にかかりやすいかを知ることです。生活習慣病の発症には遺伝的要素(体質)が重要なので、自身の両親やその兄弟、祖父母がどの様な病気を持っている(いた)か、を知ることです。例えば高血圧の家系であれば自身も高血圧になりやすいので、塩分の少ない食生活に慣れるようにするとか、糖尿病の家系は体重が増えないようにし、お酒や甘いものを多く摂らないようにする、といった対策を若い時から習慣づけねばなりません。それでも中年になると、体質をもたない人と比べると発症する確率が高いので、定期的に健康診断を受けなるべく発症早期に気づき対応することが重要です。まず食事・運動療法を行い、約3ヵ月取り組んでも効果がなければ速やかに薬を飲み始めることをお勧めします。効果のない対策を続けても病気が近づくだけです。これくらい素早く取り組むと生活習慣病をもたない方と同様の健康状態を保つことが可能で、寿命が短くならずにすみます。

 皆さんも日頃の生活習慣改善に取り組み、時々健康状態をチェックして下さい。

江頭省吾

===================================================

*皆さまからの健康相談を受け付けております。

具体的な相談内容をeditor@senyumpress.comまでお送りください。

===================================================

2011年09月05日
コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: Dr. 江頭の健康相談