2012年3月-この人のセニョ〜ム 北城彰さん

お茶は嗜好品のなかでいちばんおもしろい。自分がおいしいと思ったお茶を紹介したい

北城彰さん

1971年、長野県生まれ。大学院で食品栄養科学を専攻、日系の食品会社に就職。1998年から8年間、ペナン工場で食品の開発や品質管理から、工場の拡張化にともなう生産ラインの開発・設計に携わる。2005年、独立。日本、中国、台湾、インド産の高級茶と茶器を扱う「HOJOTEA」を立ち上げる。

 KL市内の高級ショッピングモール「ガーデンズ」にあるHOJOTEAの直営店は、店舗面積はわずか31平方メートルほどだが、マレーシア国内はもとより世界各国のお茶ファンご用達の店として知られる。「おいしいお茶」を求めて、中国、台湾、インドにあるお茶の産地を隅から隅まで歩き回り、自ら納得したお茶しか販売しないという頑固者(?)のオーナー、北城さんを訪ねた。

 ホンモノの北城さんは頑固者のイメージとはほど遠く、とてもさわやかで、気さくな方。声楽をやっていらっしゃったのかと思われるほど、澄んだハリのあるバリトン系の声が魅力的。お茶を商売にしようと思ったきっかけについて尋ねると、

 「昔からスパイスやチョコレート、コーヒーといった嗜好品が好きでした。香辛料やコーヒーはプランテーション栽培だから『たくさん買って、たくさん売る』ことのできる大手しか手が出せない。ところがお茶は、いいお茶になればなるほど農家単位で、小ロットでしか買えないので、大手が入り込めない分野なんです。しかも嗜好品だから商品の回転率も高い。独立して一からはじめるには、お茶がいちばんおもしろいと思いました」。

 学生のころから「海外で起業する夢」をもっていた。幸運にも「オーナー企業でブランド力があり、海外展開をしている食品会社」に就職、「10年間は会社に貢献しながら、学べることをしっかり学び、独立しようと考えていました」。果たして、その計画どおりの2005年、北城さん35歳のときに独立。

 独立後1年間は、「おいしいお茶」探しの旅。不思議なことに時間をかけて探せば探すほど、いいお茶が見つかる。さらに産地からマーケットまでつなぐサプライチェーンを管理することで、いいお茶の品質を損なうことなく提供でき、高級茶ブランド「HOJOTEA」の確立に成功。当初はオンラインストアでのみ販売していたが、07年、KLはガーデンズに直営店を開いた。

 「マレーシアのマーケットはおもしろい。超お金持ちのお茶ファンが来て、批評してくれます。日本にいたらきっと、井の中の蛙でしたでしょうね」。

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