2021年1月-この人のセニョ〜ム ナッシュさん

知られざる世界遺産レンゴン渓谷へようこそ!

家族のように迎えてくれるカンポン・ホームステイ

ナッシュさん

1970年ペラ州レンゴン生まれ。O型。6人兄弟の3番目に生まれる。81年、教育事情を考慮した父の意向でイポーへ移る。高校卒業後、ホテルマネージメント科を修了し、91年、文部省の奨学金制度で留学。東京の専門学校「日本ホテルスクール」卒業。 94年帰国。シェラトン、バンヤンツリー、ヒルトン、シャングリラ、ウェスティンといったマレーシア国内の一流ホテルで 25年間勤務し、19年8月「Rumah Tiang 16」をオープン。ユネスコ世界文化遺産に登録された故郷レンゴンにて、ホスト兼ガイド兼地域おこし発起人として活動。

 雄大なビンタン山脈とティティワンサ山脈の合間にある、ペラ州のレンゴン渓谷は「レンゴン渓谷の考古遺産」として、2012年ユネスコ世界文化遺産に登録。ここは二百万年以上も前の初期人類の生活を伝える考古遺跡で、アジアで唯一の隕石衝突で生成された「スエバイト」という岩石の中からは、石器や陶器などの道具が発掘されている。また、東南アジアで最古の約100万年前の完全な人骨「ペラ・マン」が発見さ れた土地でもあり、マレーシアの考古遺跡として最も重要な地だ。にも関わらず、あまりよく知られていないのだが、ここには昔ながらの田舎町の生活が残っている。

 手つかずの美しい自然が溢れるレンゴン渓谷の麓で生まれたナッシュさんは、家族と共に11歳までレンゴンに暮らしていた。より良い教育の機会をこどもに与えたいと考えたお父さんの意向により、車で約2時間離れた街イポーに引っ越すことに。高等教育をイポーとペナンで受けた後、ナッシュさんは東京の専門学校へ留学し、ホテルホスピタリーを専攻した。

 日本では店員が客一人ひとりに「いらっしゃいませ」と声を掛けること、デパートの包装が見事なこと、ガソリンスタンドの店員が車を手際よく誘導し、ライトの点検をしたり窓を丁寧に拭いてくれることなど、マレーシアにはない接客に感銘を受けたという。古き良き日本の文化や風習を、現代の生活の随所に取り入れながら新しい文化を生み、多くの外国人観光客を魅了して観光業を成り立たせていることにも着目した。帰国後、名だたるホテルで25年間勤務しながら、隣国タイやインドネシアと比べて隠れた存在であるマレーシアの観光業を、どうにか活気づけたいと考えていた。

 2019年8月、ナッシュさんの長年抱いていた夢がついに実現した。素晴らしい歴史と美しい自然が残る生まれ故郷レンゴンの地に、マレー伝統家屋のゲストハウスをオープンさせたのだ。ナッシュさんと奥さんは、食事の支度から見どころへの案内まで、まるで家族のように旅人を温かく迎え入れてくれる。「遺跡訪問以外に、 14~19世紀にかけて存在した、マレー系王朝の中で一番歴史の古いパタニー王国の歴史を学んだり、昔と変わらない田舎暮らし、大自然に囲まれた川や湖ではピーコックバス釣りなども体験でき、日本人の方にも楽しんでいただいてます。ぜひ遊びに来てください」。

 ナッシュさんは、観光客を受け入れるために何をすべきか、地元の人々と協力し合いながら地域活性に尽力している。

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