ぶどう酒百味旅 ~最初のひとくち 想いの滴~ 第18回

〜最初のひとくち 想いの滴〜

【紫音のおすすめワイン】

【特別編】 私が訪れた産地のワイン

 今回は古いお話。ワインと共に歩いた私のヨーロッパ旅行記です。
 24年前の夏、どうしようもなく暑いイタリアのローマに降り立った。毎朝市場でハムとワインを買って飲んだ。観光名所に行った記憶はほとんどない。そこから南のナポリへ。浜辺の魚介類と白ワインが旨かった。北へ向かう。フィレンツェ。近郊トスカーナ地方の赤ワインをよく飲んだ。芸術の街での記憶がワインしかない。途中下車のボローニャではパルマの生ハムと赤ワインを飲み、水の都ベネチアでは、この地方産の安い白ワインを毎日飲んだ。その後西へ。ミラノ。地元産で少し酸味のある軽い赤ワインを毎日飲んでいた。国境へ。夜行列車でフランスへ向かう。着いたのはニース。海辺の町。冷えた白ワインと魚介類で朝からほろ酔い。地中海が眩しかった。プロヴァンス地方を抜け、列車で内陸へ。食の都リヨンから北がブルゴーニュ地方。誰もが知るロマネコンティの畑もここにある。知らぬ駅でまた途中下車。ヒッチハイクで銘醸ぶどう畑へ。夜は空き家で知らない人と知らないワインを飲んだ。更に北へ。ドイツに近いアルザス地方ではビールをよく飲んだ。安くて旨かった。夜行列車で西へ。パリには寄らず、そのままブルターニュ地方まで行った。シードル(リンゴ酒)の産地。これもよく飲んだ。南へ。高級ワイン産地ボルドーに着いた。毎日ぶどう畑の中をひたすら歩いた。旅の中一番の思い出。夜行列車でピレネー山脈を越えスペインのバルセロナへ。近郊では有名な発泡酒カヴァが造られている。壁の薄い安宿で独りカヴァを飲んだ。南へ。グラナダの夕陽を見ながら飲んだのは赤ワイン。街は砂っぽい感じがした。バスでスペイン最南端の街へレスへ。シェリー酒はここで産まれる。立ち飲みバルでよく飲んだ。港で見つけたフェリーに乗りジブラルタル海峡を渡った。着いたのは北アフリカのモロッコ。列車とバスを乗り継ぎ南へ。知らない誰かとサハラ砂漠をジープで走った。モロッコではなぜかワインを飲んだ記憶はない。スペインに戻りセビリアにいた。やっぱりヨーロッパがいいなと思いながら飲んだのは白ワインだった。ポルトガルへは南からバスで入った。首都リスボンでは地元の赤ワインを飲んだ。列車で北へ。ポートワインの産地ポルト。甘くアルコール度数が高いワイン。飲んだ記憶がなくなるほどよく飲んだ。更に北の街ビーゴから夜行列車でスペインの首都マドリッドへ。イベリコの生ハムをつまみに連日連夜白ワイン。出国前日も泥酔。二日酔いで空港へ向かった。バンコクへ向かう機内、それでもやっぱりワインを飲んでいた。

【シェフの一言】
自由に旅行できる日が早く来ますように。

塩見 正道  プロフィール

元パプアニューギニア日本国大使館の公邸料理人。日本ソムリエ協会認定のソムリエでもある。現在、アラダマンサラ地区にて、葡萄酒百味処紫音を営む。「シェフ+ソムリエ×マレーシア」な日々を過ごす。

B-1-16, Block B, Jalan PJU 1A/20A, Dataran Ara Damansara, 47301 PJ
Tel: 03-7840 0632

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