ぶどう酒百味旅 ~最初のひとくち 想いの滴~ 第19回

〜最初のひとくち 想いの滴〜

【紫音のおすすめワイン】

【マレーシアと洋食】

「洋食」。大阪出身の私が初めて住んだ東京。2007年のこと。目的は「洋食文化を学ぶため」。ここで言う洋食とは、日本で独自に発展した西洋料理のこと。例えばハンバーグやオムライス。その文化発祥は明治初期の東京横浜にあり、老舗新顔含め、洋食屋の数は関西に比べ圧倒的に多い。9ヵ月の滞在期間中、訪れた洋食屋と洋食総菜屋は100軒以上。昼間はロールキャベツの老舗「新宿アカシア」で研修させていただき、夜はひたすら食べ歩くという日々を続けた。

2008年に当地で「洋食紅音akane」を開業。マレーシアでは、「洋食」という文字を看板に入れた最初の飲食店ではないだろうか? 画期的であった半面、日本人以外で、その意味を理解する人は皆無だった。

2021年現在、店は「紅音akane」から「紫音sion」となり場所も変わったが、今も「洋食」を提供し続けている。寿司刺身以外の「多様な食」が日本にはある。日本を訪れ、それを知ったマレーシアの方々が増えたおかげもあり、「洋食yoshoku」という言葉も徐々に認知されてきたように思う。これからも、日本の香りがする「洋食」を、マレーシアで提供していきたい。

【マレーシアと洋食】

「洋食にワインを合わせる」。そうは言っても料理は多種多様。ハンバーグやシチューには赤ワインだろうが、海老フライやグラタンには白ワインを飲みたい。そこがお店ならば、それぞれの料理に合わせてグラスワインを楽しめば良い。ただ、もしワインを一本開けるというのであれば、私ならロゼワインを選ぶ(ロゼワインとは、赤と白の中間的な味わいでピンク色をしている)。洋食には”熱い“料理が多い。ならば冷やして飲むタイプのワインが合うだろう。そうなれば、白かロゼということになるが、肉料理に白ワインでは正直物足りない。ではロゼはどうだろうか。ロゼワインのピンク色、あれは黒ぶどうの「果皮の色」が抽出されたもの。しっかり長時間かけて抽出すれば(果皮と果汁を長い時間浸す)、色が濃くなり赤ワインになる。短時間だけ抽出すれば、淡いピンク色のロゼワインになる。

黒ぶどうの果皮に由来する成分をタンニンという。一般的に赤ワインが肉料理に合うと言われる理由がこのタンニンであり、肉の旨みや甘さを引き出す。日本語では「渋み」と訳されるこのタンニンが、赤ワインの味をより深みあるものにしている。赤ワインほどではないが、その成分はロゼワインの中にもある。すなわちロゼワインと肉料理の相性も良い。洋食にロゼワイン。ぜひお試しください。

【シェフの一言】
女性への贈り物に花束とロゼワイン。素敵ですね。

塩見 正道  プロフィール

元パプアニューギニア日本国大使館の公邸料理人。日本ソムリエ協会認定のソムリエでもある。現在、アラダマンサラ地区にて、葡萄酒百味処紫音を営む。「シェフ+ソムリエ×マレーシア」な日々を過ごす。

B-1-16, Block B, Jalan PJU 1A/20A, Dataran Ara Damansara, 47301 PJ
Tel: 03-7840 0632

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