わくわく!マレー語の暮らし kanak-kanak カナカナ / anak-anak アナアナ = 子ども

わくわく!マレー語の暮らし

kanak-kanak カナカナ /
anak-anak アナアナ = 子ども

最近とある日本の昭和初期の小説を読んだのですが、登場人物の女性の名前が、保子、菊子、房子、里子、国子、英子、夏子、絹子でした。そういう私の本名もザ・昭和の〇子です。子どもの時に親が「〇〇な子どもに育ってほしい」と名前の由来を説明してくれた時、いい名前だなあと思いながらも、大きな疑問が。「〇〇な子どもって、今は子どもだけど、大人になったらどうするの?」と。

そんな〇子は、マレーシアでハッと気づくのです。子どもという言葉には、「子ども⇔大人」と「子ども⇔親」の2種類あることに。後者の「子ども」の意味なら、永遠に私は子どもであることに。親がこの世にいてもあの世にいても、私は父と母の子どもなのです。なんと素晴らしい名前を付けてもらったことかと、まさかのマレーシアで気付く私。

マレー語では「kanak-kanak=子ども(⇔大人)」と「anak-anak=子ども(⇔親)」が、はっきり分かれています。同じ言葉を繰り返すことによって複数を意味しますが、おもしろいのはkanak-kanakの方で、たとえ1人でもkanak-kanakと言います。日本語でも「ども」はもともと複数を表すので、「子ども」は複数の意味だったはずですが、いつの間にか単数でも使うようになっていきました。マレー語も日本語も同じ歴史をたどっているのかも。ただマレー語ではkanakだけで使うことはありません。一方anak-anakは、子どもが1人ならanak、数人ならanak-anakと、はっきり単数と複数を使い分けます。

またkanak-kanakは一般的な子どもを表すだけですが、anakの方は「anak ayam※1(アナ アヤム)=ひよこ」や「anak syarikat※2(アナ シャリカッ)=子会社」など、色々な熟語になり得ます。マレーシア人なら誰もが知っているであろう「Saya anak Malaysia(サヤ アナ マレーシア)=私はマレーシアの子」という歌もあります。独立記念日の頃によく聴く明るい歌です。

我が家は夫がいつもマレー語のテレビをつけていますが、私にとっては静かに日本語の本を読むのが至福の時です。最初は登場人物の名前が覚えられない!と集中できずに読んでいた小説も、気付けば夢中になり、その人物の醸し出す雰囲気と名前が巧みに合っていたのでした。さすが作家の技だと感心しながらも、改めて自分の〇子という名前を愛おしく思うそんな今日は、いつもより涼しくて感傷に浸っております。

※1 ayam(アヤム)=鶏   ※2 syarikat(シャリカッ)=会社

サフィヤ  プロフィール
2012年にマレー系マレーシア人と結婚。KL郊外に住み、夫の家族や親戚、ご近所付き合い、モスクでの交流など、マレー語に囲まれた暮らしをしています。

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