アンナ先生の健康アドバイスー第30回 結核の予防接種「BCGワクチン」

結核の予防接種「BCGワクチン」

結核とは結核菌の感染で起こります。主に肺に影響を与える重大な感染症ですが、体のほかの部分に影響を及ぼすこともあります。主な感染経路は、咳やくしゃみの飛沫に含まれる結核菌が空気中に飛び散り、それをほかの人が吸い込むことで感染(空気感染)します。結核は感染症ですが、正しく服薬し治療すれば完治できます。

マレーシアは「結核中負荷国」に分類されており、大人からこどもへ感染することも少なくありません。しかし、結核に対する抵抗力(免疫)は、母体からもらうことができないため、生まれたばかりの赤ちゃんにかかるリスクがあります。新生児が結核菌に感染すると発病率が高く、かなりの確率で髄膜炎のような重症の病気を起こすといわれています。そのため日本では、生後5ヵ月で接種が行われますが、マレーシアでは結核感染のリスクがいまだ高いため、生後数日以内に定期接種として「BCGワクチン」の接種が行われます。

BCGワクチンの接種は通常、左腕の三角筋部ですが、乳幼児のおしりや太股など、体の他の部分に接種することも可能です。接種による普通の反応として、5~6週間後に接種部位が赤く腫れ膿ができます。その後、かさぶたになり接種から3~6ヵ月後に治ります。このような反応は特に心配はいりませんが、まれに大きな膿になると治療が必要になることもあります。

マレーシアで出産した日本人のお母さんたちは、このBCG接種によって注射痕が残ってしまうことを心配し、接種時期を遅らせて日本で「ハンコ注射」のBCG接種する傾向がありますが、感染リスク抑制のためにも、早期接種を推奨します。

アンナ先生プロフィール  アイルランド・ダブリン大医学部卒(MBBCHBAO取得)。小児科、産婦人科、麻酔科、救急科、皮膚科、整形外科での経験を経て、2018年にのぞみクリニックを開業。自身も母親という立場から、こどもや女性にも優しいクリニックが信条。

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