マレーシア最新芸術事情 2020年6月-ロックダウンとアート界

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ロックダウンとアート界

新型ココロナウィルスの蔓延により3月18日にロックダウンとなるその前から、少しずつその影響を受けはじめていたマレーシアの芸術・エンターテイメント界。舞台公演の中止、新作映画の公開見送り、会場の閉鎖、様々な企画の延期など、このロックダウンによる被害・損害は計り知れません。そんななか、自分達にできることで少しでも貢献しようというアーティストやクリエーター達の動きに心励まされました。TV3では多くの人気アーティストがそれぞれの家から「Stay at Home」を繰り返し訴えていました。マレーシアの歌姫シティ・ヌルハリザもノーメイクで登場。「家にいる」ことをしっかりとアピールしていました。ロックダウン中劇場を閉めることになったクアラルンプール・パフォーミング・アーツ・センター(klpac)からは、代表のジョー・ハシャム&ファリダ・メリカン夫妻が、こども達のために絵本読み聞かせのビデオを投稿。ポケットがいっぱいある服を着た女の子の話や、「私があなたのことどれだけ好きか分かる?」と小さいウサギが大きいウサギに問いかける“GuessHow Much I Love You”(邦題『どんなにきみがすきかあててごらん』)など、冗談を交えながらもさすがの語り部でこども達を喜ばせていました。国立芸術大学ASWARAのダンス学部卒業生で構成されているASK DanceCompanyは、インスタグラムで日替わりの無料ダンスクラスを開講。コンテンポラリー・ダンスやボリウッド・ダンス、武道フィットネスなど、家に籠りきりで運動不足の身体には大変有難い企画です。
そして私が最も心打たれたのは、ファッションデザイナー達による活動でした。
ウィルス感染者の治療に携わる医療関係者のガウンが足りず、ゴミ袋を防護服がわりにしているというニュースが出回った直後から、メリンダ・ルーイやラズワン・ラヅィウィル、サルキン・シデックなどの有名デザイナー達が、素材を入手して自宅で裁断・縫製を開始。それを取り上げたメディアの報道やSNSでの拡散により賛同者も増え、数千枚単位のガウンや靴のカバーなどが作られ、各病院へと送られたそうです。今回初めて経験したロックダウン。見る/観る、聞く、読むものがあることで、私達のロックダウン中の生活は大きく救われていると思います。日頃軽視されがちな芸術、そして芸術家達の社会への貢献は、こんな時こそきちんと見直されても良いのではないかと思いました。

アティカ

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