マレーシア最新芸術事情 -2021年2月 オンライン開催のマレーシア国際映画祭

マレーシア最新芸術事情

オンライン開催のマレーシア国際映画祭

1月15〜21日にかけて、第4回マレーシア国際映画祭(MIFFEST)が開催されました。マレーシアにも国際映画祭があったの?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、2017年に始まったこの映画祭は、もともと映画界とは縁のなかったイベント会社社長がビジネス目的で始めたと言われている若干曰く付きのもの。サモ・ハンやアンソニー・ウォン、シルヴィア・チャンなど、毎年豪華なセレブを香港や台湾などから招待していたほか、一昨年の開催時には、2009年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したブリランテ・メンドーサ監督(フィリピン)や1995年ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞のトラン・アン・ユン監督(ベトナム)など、アジア各国から著名な映画人を審査員として招聘し、そのなかには河瀬直美監督の姿もありました。

残念ながら、今年はもちろん海外からのゲストもなく、上映自体もオンラインへと移行されることが開催直前に決定・発表されました。作品のラインナップは海外からの作品とマレーシアの作品の2部門、計14作品でしたが、そのうち昨年12月号のこのコラムでお知らせしたエドモンド・ヨウ監督の『MALU』(先般行われた東京国際映画祭で世界初上映、現在日本国内で商業上映中)などの5作品は、映画祭の開催期間終了後も一ヵ月程度は、今回のMIFFESTのプラットフォームとなっているMUBIにて視聴可能とのこと。

ここで、「MUBIとは何ぞや?」と思われる方も多いでしょう。MUBIは、ロンドンを本部とする映画専門のストリーミングプラットフォームで、東南アジアでは唯一KLにオフィスを構えています。例えばNetflixが主にアメリカのヒット作やドラマシリーズあるいはオリジナル作品を中心としているのに対し、MUBIは映画好きのためのクラシックやアートハウス(日本で言うところの単館系)の作品が充実したサイト。40〜60年代の時代別特集や、チャップリン、フェデリコ・フェリーニの特集、大島渚監督作品など、いかにもヨーロッパの映画通が選んだといったラインナップになっています。日本語字幕はありませんが、ちょっとディープな映画の世界に入ってみたい時に、気軽に覗ける良いプラットフォームなのではないかなと思います。

アティカ  プロフィール
あっという間に在マ歴18年。外見も中身もだいぶマレーシア化してきている自分に驚かされている…

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