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マレーシア最新芸術事情 -2023年1月 ツァイ・ミンリャン監督、TIFFで特集上映
- 2023/1/1
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10月末から開催されていた東京国際映画祭(TIFF)では、コンペティション部門その他の映画上映の他、「国際交流基金×東京国際映画祭 co-present 交流ラウンジ」と題したトークシリーズも行われていました。これは、是枝裕和監督(『万引き家族』、『海街ダイアリー』)を中心とした検討会議メンバーによって企画されたイベントで、一昨年から実施されているものです。過去2年はライブ配信でしたが、今年は映画祭のYouTubeチャンネルにて録画配信されています。
近年TIFFではマレーシア映画が少なくとも1作品は上映されていたのですが、今年は残念ながら上映作品なし。しかしながら、デビュー30周年のツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督の特集上映が組まれ、監督は交流ラウンジにも登壇。深田晃司監督(『淵に立つ』、『LOVE LIFE』)との対談が実現しました。ツァイ監督と言えば、その作品がヴェネチィア国際映画祭、金馬奨、そしてベルリン国際映画祭でそれぞれ最高賞を獲得している台湾の巨匠として知られていますが、実はクチン出身のマレーシア人です。残念ながら、彼の作品は娯楽的要素があまりなく、検閲も通りにくい内容であるため、本国では商業公開に至った作品はありませんが、小規模の上映会は数年に一度アートスペースにて行われており、先日もツァイ監督がマレーシアで撮影した唯一の長編作品と言われる『I Don’t Want To Sleep Alone』がチャイナタウンのREX KLにて上映されていました。
ツァイ監督は、交流ラウンジ登壇に先駆けて深田監督の3作品を視聴されたそうで、深く感銘を受けたとして、特に私も大好きな『淵に立つ』の感想をたっぷりと語られていました。「自分は長いこと劇映画を撮っていなかったが、久しぶりに劇映画を作りたいという気持ちにさせてくれた。深田監督のような素晴らしい作品を作る人がいて、また海外の映画を積極的に公開している日本はいまだに映画強国だ」などと日本のことを褒めていましたが、個人的にはもう少しガツンと喝を入れるようなことを言ってくれた方が、日本映画界のためにはよかったのでは? と思ったりもしたのでした。
この対談の他、是枝監督や橋本愛さんなども登壇している交流ラウンジの各セッションは、TIFFの公式チャンネルより視聴可能です。https://www.youtube.com/channel/UCORSyZr9pmBD1iKJDf3RtNw
アティカ プロフィール
あっという間に在マ歴18年。外見も中身もだいぶマレーシア化してきている自分に驚かされている…
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