2010年6月-マレーシア最新芸術事情

テレビ番組事情 ~衝撃のドラマ “Nur Kasih” に迫る!~ 

 先月号では、ベタなテレビドラマについて書き連ねてしまいましたが、ベタだからではなく、通に面白くて、私が本気でハマってしまったドラマがあります。その名は ”NurKasih“。昨年の9月から11月頃にかけて、TV3にて放映されていました。当時はもう本当に、毎週金曜日夜9時が待ちきれない!私だけではありません。近所の主婦達や、仕事仲間のマレー系の女性、親戚のおばさんなど、会う人会う人み〜んな ”Nur Kasih“に夢中! この”Nur Kasih“毎回400万人以上が視聴したと言われています。

 では一体どんな内容なのか? アダムという男性がオーストラリアに留学中にマレー人と白人との混血の女性と同棲を始めます。彼はイスラム教徒の義務とされるお祈りをしないどころか、自らがムスリムであることを完全に忘れて西洋人のような生活を日々送っているところに、父親が危篤との知らせが入ります。急いで田舎に帰った彼に対して、父親が死に際に願ったのは、幼馴染のヌルとの結婚。仕方なくヌルと結婚した彼は、そのままヌルを田舎に置き去りにしてまたオーストラリアへ戻り、ハーフの彼女にヌルとの結婚のことを告白できないまま、その彼女とも結婚してしまいます。

 置き去りにされたヌルは、アダムの兄アイディルや周囲の人々に支えられながら、アダムにはもう一人妻がいるなどとは知らずに、ひたすら彼を待ち続けます。そんな中、アダムの第2夫人が身籠った赤ちゃんが、飲酒運転のアダムが引き起こした事故により、亡くなってしまいます。

 他方、アイディルに思いを寄せ続ける、思い込みの激しいヌルの妹は、姉に優しいアイディルを見て、2人の仲に嫉妬心を抱き始めます…。さて、なぜそんなにまで”Nur Kasih“が人気だったのか。やはり重要な要素は、”愛の三角関係“そして”一夫多妻制“なのではないかと思います。過去の過ちを悔いて生き方を改めなおす、といったドラマは今まで数え切れないほどありました。人々がこのドラマに惹かれたのはその部分ではなく、表向きには許されている一夫多妻制、しかしその中に立つ人々の心の内側はどうなのかということ。そしてそこに表れてくる愛憎劇と各登場人物の正直な発言が共感を呼び、マレーシア史上最高視聴率を誇るテレビドラマとなったのではないでしょうか。

 アティカ

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