2011年10月-マレーシア最新芸術事情

日本で紹介されるマレーシア

 今月、日本では、大規模な映画祭が2つ開催される予定となっています。

 まず一つは、10月6日〜13日に開催される「山形国際ドキュメンタリー映画祭」。2年に一度開催される映画祭ですが、ドキュメンタリー作品の映画祭としては、日本で最も有名な映画祭と言えるでしょう。

 そしてもう一つは、10月22日〜30日に開催される「東京国際映画祭」。この映画祭の大きな目玉の一つは、「アジアの風」部門で、毎年新しいアジア映画を日本に紹介しています。2006年にはマレーシア新潮と題された特集上映も組まれ、6人の監督の9作品が上映され、好評を博しました。

 この10月に行われる二つの映画祭、どちらもマレーシア映画を上映する予定となっています。前者の山形では、Khoo Eng Yow(クー・エンヨウ)監督の『影の無い世界』。東海岸クランタン州で、政治に翻弄され、衰退の一途を辿る影絵”ワヤン・クリッ“ の現状に迫ったドキュメンタリーです。おそらくこの映画、マレーシアではプライベートな上映以外では観ることができない作品であろう(政治批判と受け取られる可能性が高いため、一般公開は許可が下りるか不明)と思われ、ぜひぜひ観てみたい! という思いが募ります。因みに、同映画祭では、マレーシア映画が久しぶりの上映となります。クー監督は、前述の東京国際映画祭マレーシア新潮の時に、長編フィクション作品で招聘された6人のうちの一人。今回はドキュメンタリー映画祭での招聘となりました。

 また、東京国際映画祭アジアの風部門では、2006年以降マレーシア作品は常連となりつつあります。今年上映される作品の一つは、Edmund Yeo(エドモンド・ヨー)監督による”Exhalation“。昨年上映された”Inhalation“に引き続き、2年連続の上映となります。このヨー監督、現在早稲田大学にて修士留学中で、所属研究室との共同制作作品が海外の多くの国際映画祭に招待されるなど、輝かしい功績を残したことから、同大学において学術、芸術、スポーツの三部門において、それぞれ優れた成績を修め、模範となるべき学生に対して贈られる小野梓記念賞まで受賞してしまいました。現在、彼が構想を練っていて調査を続けているのが、マレーシアで生活していた、からゆきさんたちの物語。手伝うつもりでからゆきさんリサーチにすっかりはまってしまった私にとっては、ぜひ実現して欲しいと願う作品です。

 アティカ

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