2013年4月-マレーシア最新芸術事情

マレーシア映画祭の受賞結果、そして・・・

 去る3月2日(土)に、日本でいうところの日本アカデミー賞にあたる第25回マレーシア映画祭(Festival Filem Malaysiake-25)の授賞式が行われました。

 最優秀監督賞に選ばれて、壇上で涙を流した“Bunohan”(『ブノハン』)のDain Iskandar Said(デイン・イスカンダー・サイド)監督。デインが泣くなんて! と驚いたものの、考えてみれば、長編デビュー作となるはずの前作が、世に出ることなく葬られてしまった彼にとっては、ここまでの月日はおそらく私たちには想像がつかないほど長いものだったのでしょう。

 彼のデビュー作となるはずだった“DUKUN”(『ドゥクン』)は、マレーシア史上最もセンセーショナルな事件の一つとされる、1993年に実際に起こった黒魔術師の女性とその夫による政治家殺害事件をもとに2006年に作られた作品で、暗いテーマながらも、娯楽作品としてもすばらしいできだったと聞きます。しかしながら、結局黒魔術師の家族が上映に反対し、公開は不可能となってしまいました。その時デインが、「キャスト・スタッフの努力が報われないことが一番残念だ。特に主演のウミ・アイダは渾身の演技だったのに・・」と語っていたのを覚えています。

 それから6年、満を持して発表された彼の長編作品『ブノハン』は、世界各国の国際映画祭に招待され、最後に、本国のマレーシア映画祭でも最優秀作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など、8部門受賞の栄冠に輝きました。ということで、今年のマレーシア映画祭は『ブノハン』が賞を独占!という印象を残しましたが、実はもう一つ脚光を浴びた作品があります。KLのストリートで乳児人身売買にかかわって生きる若者の物語Songlap(『ソンラップ』)です。こちらも最優秀助演男優・女優賞をはじめとする4部門を獲得しました。

 さて、なんと、この『ソンラップ』とダイン監督の『ブノハン』が東京で上映されることになりました! 短編長編合わせて22本の作品が上映される予定の映画祭シネ・マレーシア。商業作品からアート作品まで上映するほか、「マレーシア人の見た日本、日本人の見たマレーシア」と題した特集上映も予定。日本で活躍するマレーシア人監督の作品や、マレーシアで撮影された日本人監督の作品なども一挙に観ることができる素晴らしい企画です。ぜひ日本のご家族にもお知らせください。詳細は来月号のセニョ~ムで!

アティカ

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