2014年2月-マレーシア最新芸術事情

自分の街を好きになろう!Chow Kit Kita Festival

 クアラルンプールのチョウ・キットと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか? 日本人の方々にとってチョウ・キットは、「近寄らない方がよいところ」なのではないかと思います。

 確かにチョウ・キットには売春宿なども多く、また最近は外国人労働者も多く集っていて、足を運ぶのに躊躇してしまうような街かもしれません。それでも、やはりそこに暮らす人たちがいて、そこで育つこどもたちがいます。

 そのチョウ・キットのイメージを何とか払拭しようと、以前からアーティストたちによる試みがいくつかなされています。最も有名なのは、今もKL史上燦然と輝く1986年のスディルマン・アルシャッド(Sudirman Arshad)による路上無料コンサート。当時マレーシアのトップスターだった彼が行ったそのコンサートで、Jalan Tuanku Abdul Rahmanをはじめとするその一帯は10万人の観客に埋め尽くされたそうです。

 2002年には、若手ビジュアル・アーティスト、建築家、ミュージシャン等によるアートフェスティバル“Chow Kit Fest”、そして2010年から行われているのはChow Kit Kitaというプロジェクトです。毎回チョウ・キットに住む13~17歳のティーンエイジャーをメンバーに、第1期はチョウ・キットの人々の民族と宗教についてのリサーチと発表、第2期はチョウ・キットの食べ物、そして昨年の第3期はチョウ・キットのリサイクルショップをそれぞれリサーチし、メンバーであるこどもたちが地図を作るというもの。去る12月に行われた第3期の発表の場ともいうべきChow Kit Kita Festivalでは、完成した地図が配布されたほか、チョウ・キットファッションの写真展やそのポストカードの販売、メンバーたちが出演、製作した前述スディルマンの名曲“Chow Kit Road”のミュージックビデオの上映や、彼らがチョウ・キットの歴史を紹介する移動演劇、Tシャツ作りワークショップなどなど、楽しいイベントが盛りだくさんでした。

 この街に住むこどもたちが、チョウ・キットを“自分の街”と誇りをもって言えるように…。主催者側の熱意と誠意、そしてそれを支援する環境がこれからも継続していくことを、こどもたちの生き生きとした笑顔を見ながら、強く願ったのでした。

アティカ

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