2015年12月-マレーシア最新芸術事情

マレーシア映画第3の黄金期なるか?
映画愛好会での上映会が復活!

 2005年頃からの数年間、突然マレーシア映画が、海外の映画祭でどんどん上映されるようになりました。それは、マレーシア新潮と呼ばれ、東京国際映画祭や釜山国際映画祭などで特集上映が組まれるほどで、偶然メールでやり取りすることになったブラジルの大学院生女子が、「私、修士論文のテーマがマレーシア新潮なんだけど…」と言ってきた時は、なんと地球の裏側まで!と驚いたものでした。

 そんなマレーシア新潮の誕生に大きく貢献したのが、マレーシア映画愛好会(Kelab Seni Filem Malaysia、以降KSFM)の存在です。1974年に、脚本家、演出家、映画監督そして俳優としても活躍した故サイド・アルウィ氏が発起人となって発足したこの愛好会は、一部のインド系の映画館を除きいわゆる単館系の映画館が存在しないマレーシアにおいて、海外の優れた作品を鑑賞できる場を提供してきました。そして2000年、映画製作にデジタルの波が押し寄せてきた頃から、アミール・ムハマッドやジェームス・リーなどがKSFMを発表の場として作品を紹介しはじめたほか、バーナード・チョーリー、ホー・ユーハンなど、今ではずいぶんと名の知れた監督たちが一丸となって、“Malaysian Shorts”、“Malaysian Documentaries”といった若手の監督たちの短編作品を紹介する場をつくり、2004~2005年頃は、会場が大学生や若い社会人の観客で毎回超満席となる人気イベントとなりました。KSFMなくしてマレーシア新潮はあり得なかったといっても過言ではないでしょう。

 そして時は過ぎ、多くの人が、「あの頃は活気があったよな~」と懐かしく思うようになった今、ついにそのKSFMでのスクリーニングが復活しました! それは、過去の“Malaysian Shorts”を懐かしむ、新潮世代よりちょっと若手の映画監督たちが、商業映画館では上映されることのない自分たちの作品の発表の場を、そして新旧問わず国内外のいい作品を上映できる場を求めて動き出したもの。先日行われた東南アジアの短編上映の回は、初めてのイベントでありながら、昔を懐かしむ人々のみならず新たな若い観客もたくさん集まり、非常にいいスタートを切ったといえるでしょう。

 ちなみに、先日ご紹介したPolis Evoは、ついに興行成績歴代1位を記録。商業映画、インディー映画共に、このいい流れに乗ってマレーシア映画に第3の黄金期を築くことができるのか? これからの動きを、興味深く見守っていきたいと思います。

アティカ

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