2016年1月-マレーシア最新芸術事情

今、この人に注目!~映画編~ Dato’KamilOthman

 気が付いたらもう2016年、今年は少し趣向を変えて、マレーシア芸術界で活躍する人々に焦点を当ててお伝えしていきたいと思います。

 今回は、今最も熱いこの方、マレーシアフィルム振興公社(FINAS)のディレクター・ジェネラルを務められているDato’ Kamil Othman(カミル・オスマン)氏。2014年の12月に就任されてから、ものすごく精力的に動かれています。

 まず、FINASとは何をするところか?その名の通り、マレーシア映画の振興と発展を支えるべく設立された国立の機関で、マレーシア映画製作費のための助成金を出したり、完成した作品にwajib tayang(ワジブ・タヤン)という必須上映制度ともいうべき資格を与えたりしています。このワジブ・タヤン資格を取得した映画は、人気があろうとなかろうと、全国の商業映画館で少なくとも公開から1週間はフルに上映することが映画館側に義務付けられているもので、デジタルで以前よりも簡易に作品を作れる昨今では、ワジブ・タヤンの作品(そのほとんどが駄作!)が、毎週2本ずつ公開されるという恐ろしい事態になっています。

 そんななか、12月9日の報道によると、来年の7月1日からはそのスキームが改定され、良質な作品のみに適用されるとのこと。この改革、今後のマレーシア映画を変え得るかもしれない、大きな一歩です。長年にわたりこのスキームの恩恵を被ってきた大多数のダメダメ映画人からは、間違いなく非難轟々でしょうし、そんな人たちが抗議運動を起こすかもしれない。さらには、それを真に受ける映画の「え」の字も知らない政治家たちがいるかもしれない。

 「僕の契約期間は2年、今もう1年目が終わったところ。僕のことを面白くないと上が思えば契約は更新されないだろうから、何とかこの残り一年の間にきちんとした制度を作っていきたい。もっと良質の映画をつくっていかなきゃダメなんだ。」と語っていらしたカミル氏。毎月最終金曜日の夜にはTanyaKP(ディレクター・ジェネラルに聞こう)という一般向けのQ&Aセッションも開催し、さまざまな質問に自らお答えになっています。お話の節々から伝わってくる、同氏の映画への強い想い。「FINASの職員みんなが純粋に映画好きでいてくれたら、それだけでもずいぶんいい組織になると思うんだけどね。」とおっしゃっていたカミル氏が少しでも長く今のポジションで活躍していかれることを、強く強く願っています。

アティカ

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