2010年8月-ビードロカワウソの巻き

  • 2010/8/5
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 日本国内では1970年代を最後に目撃情報がなく、すでに絶滅したとみられているカワウソだが、マレーシアでは近似種のビロードカワウソ(Smoothcoatedotter)を野生の状態でみることができる。クアラルンプールの近くではクアラセランゴール・ネイチャー・パークやタマン・ネガラで何度も確認した。川や池でジャボンジャボンと派手な水音が繰り返し聞こえたら、カワウソがいる可能性がある(魚が跳ねたりカワセミが飛び込んだ時の音はたいてい1回のみ)。ただし潜ったり浮上したりとチョロチョロ動き回るし、水辺の草が邪魔になるので、写真やビデオで撮影するのは困難。僕は何度もニアミスを繰り返した後、バードウォッチング用の観察塔の上から眼下の池で泳ぎ回っているのを見つけ、30秒あまりの動画撮影に成功した。首をニョキリもたげたネス湖の怪獣ネッシーと称されるあの有名な写真について、カワウソのシッポの見間違えではないかとの説があるが、そういう説明をつけたがるのは実際に水上のカワウソを見たことがない人だろう。そもそもカワウソは水上であんなにシッポを高々と上げたりはしない。大きさだってシッポを入れても1メートル程度。シッポだけだと40〜50センチぐらいしかないのだ。

 カンボジア在住時、プノンペン近郊のミニ動物園で飼育員にほとんどペット状態で飼われているカワウソがいたので、例によって時々出かけては遊んでやっていた。檻やプールには入れられておらず、飼育員の後ろをチーチー鳴きながらひょこひょこ歩いてついていくのだ。現地ではさほど珍しくもない動物なのでこういう曖昧な待遇となっていたようだ。毛はアシカなどに似てけっこうな剛毛かつスルスル。英語名でスムースと呼ばれるだけある。剛毛の奥に柔らかな毛もあるのだが、フワフワ感はほとんど感じず、撫でてもあんまり気持ち良くはない。しつけはされていないので、手を甘咬みされると傷だらけになった。ヌルヌルした魚をしっかりくわえるため歯が小さく尖っているのだ。顔を近づけると、魚を常食としているので息が恐ろしく生臭い。インドやベトナムなどの農村では飼いならして魚を獲らせたりする。 

伊藤祐介

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