2011年10月-キツツキ その1

  • 2011/10/5
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 キツツキ(Woodpecker)という鳥は、バードウォッチングの初心者にお勧めの鳥だ。第一には発見しやすいという点。コツコツという木を叩く音(ドラミング)はかなり遠くまで聞こえる。音のする方角を観察していると、太めの木の幹をコツコツ叩きながらしながらズリズリと上の方に上がっていくのを容易に見つけることができるのだ。

 第二に穴開け作業に没頭しているので警戒心が薄く、小さな鳥のようにちょこまか移動しないので双眼鏡で捉えやすい点。移動も幹に従って垂直方向とほぼ決まっているので、観察対象としてうってつけだ。加えてマレーシアにいるキツツキはかなりカラフルな色をしているので見た目にも楽しい。マレーシア森林研究所(FRIM)によくいるモリアオゲラ( Crimsonwinged Woo dpecker)などは赤と黄色の派手な頭の毛をおっ立てており、まるでパンクのにーちゃんである。鳴き声もギャーギャーと「シャウト」している感じで、「森のパンク野郎」と僕は勝手に呼んでいる。

 ただキツツキ探しの手掛かりになるドラミングについては、聞いたことのない人にとってはなかなか想像できないということが、先日友人をタマン・ネガラに案内してみて分かった。ドアをノックするようにコン、コンとゆっくり叩く場合もあるが、たいていは口マネできないほどの高速打ちで、ほとんどタララララ・・・という感じ。何度も「あれがそうだよ」と言っても友人はなかなか判別できなかった。我々はエアコンの音やエンジン音を普段は聞き流しているものだが、キツツキの規則正しいドラミングもそのたぐいなのだろう。

 さて読者の皆さんは、キツツキという名の鳥が存在しないのをご存知だろうか。○○キツツキというのは皆無で、いるのは○○ゲラばかりだ。様々な説があるが、元々「テラツツキ」と呼ばれていたのがいつの間にか「ケラツツキ」となり、頭の「ケラ」が残って「アカゲラ」とか「クマゲラ」になったなどといわれている。キツツキに穴開け作業で脳震盪にならないための頭蓋骨のショック吸収構造があるのはよく知られているが、対趾足という足の指が前向きと後向きに2本ずつ付いている点も特徴の一つである。ところがなかには指が3本しかないキツツキもいるので話がややこしくなってくる。その話は次回に。

 伊藤祐介

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