2011年7月-コウライウグイス

 街路樹の間を低空飛行し、ウグイスにも似た鳴き声を発するコウライウグイス(Black-napedOriole)。黄色い羽と目の部分の黒いライン(眼過線)の派手なコントラストで目立つため、野鳥に詳しくなくても「ああ、あの鳥ね」と思い当たる方も多いだろう。メスは緑がかった黄色の羽毛で覆われている。名前にウグイスとついているのだが、同じスズメ目でもウグイスとは系統が違う。コウライウグイスのほうは体長26センチほどもあり、15センチ程度のウグイスとは体形も大きく異なっている。

 シベリアや中国、朝鮮半島に生息している個体がたまに日本に渡ってくるのでこうした和名がついたようだが、ウグイスのように真ん中にアクセントを置いて「ホーヒーヨ」と鳴くので、「ホーホケキョ」に聞こえなくもない。「ホヒヨ」とか「ホケキョ」、「ホキョ」と短く鳴くこともある。疲れていると「もういいよ」と聞こえ、腹が減っていると「トルティーヤ」と聞こえるので、野山を散策している際に自分の体のコンディションが分かるので重宝だ。

 英名を直訳すると「頭の後ろが黒いオリオール」ということになるが、米メジャーリーグの「ボルチモア・オリオールズ」の名前の由来となった「オリオール」のほうはムクドリモドキ科の鳥で、和名ではボルチモア・ムクドリモドキと呼ばれ、これまた別系統だ。姿格好が似ているので両方ともオリオールとなったと言われているが、羽が黄色と黒のツートンという点を除くと全然似ていない。動植物の名前は結構いい加減につけられているのだ。ちなみにボルチモア・ムクドリモドキの方はチーム名に冠されるぐらいだから彼の地ではメジャーな鳥なようで、メリーランド州の「州鳥」になっている。なおマレーシアには生息していないが頭全体が黒いズグロコウライウグイスというコウライウグイスの近似種がおり、僕はスリランカで鳴き声を聞いたがまったく区別がつかなかった。

 コウライウグイスの飛び方は波状飛行(バウンディングフライト)で、始終バタバタとはやらず、羽ばたいて上昇してはそのまま滑空し、また羽ばたいては滑空するというやり方だ。休憩を挟みながら飛べる点で省エネ効果がありそうだが、体重の割には飛翔力に乏しいため仕方なくやっているというのが本当のところのようだ。野鳥は飛び方にもそれぞれ特徴がでるので気をつけて観察すると面白い。

伊藤祐介

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