2014年7月-オニイトマキエイ

shizen 前回に続いてエイの話。最大のエイといえばご存知、マンタの愛称で知られるオニイトマキエイ(Manta Ray)。最近でこそテレビ番組で紹介されたり、沖縄美ちゅら海うみ水族館などの日本の水族館で飼育されるようになったために知名度が上がっているが、野生を見る機会はダイバーでもそれほど多くはない。ダイバーのあこがれの魚のトップランクといっていいだろう。

最大で横幅が8メートル、体重は3トンにもなる。大型クジラやジンベイザメなどの巨大魚と同様に主食はプランクトンで、大きな口を開けて海水と共に吸い込むやり方も似ている。頭の先から耳のように2本飛び出しているのは胸ヒレが変化したもので、これがクルクルと渦巻き状に巻くことがあり、それで「糸巻き」という名がついたとされる。このヒレはプランクトンを口の方に集めるのに役立っているという説もあるようだ。英名(俗称)のマンタというのは毛布という意味のスペイン語からきたらしい。

温暖な海に広く分布しており、マレーシアでもマラッカ海峡をはじめとする近海に度々出没し、漁師に捕獲されたというニュースが時々新聞に載っている。丸のままイカン・バカル(焼き魚)にしたらすごいことになりそうだ。

サバ州シパダン島付近などでは時々ダイバーが遭遇している。僕は以前モルジブで、ランカンベルのマンタ・ポイントにあるクリーニングステーション(魚が寄生虫などをエビや小魚にとってもらうために集ってくる場所)にやってきた10匹以上のマンタを一度に見たことがある。こうなると、また一匹また一匹というより、また一枚また一枚という感じで壮観だ。恐れる様子もなく次々と近づいてくるので、こっちの方が慌てて避けなければならない。腹側は白いのが普通だが(たまには腹側も真っ黒なものもいるが、別に腹黒いというわけではなさそうだ)、背中側はグレーではあるものの一匹一匹模様が違う。じっくり観察していると個体の識別がついて「やあ、またあいつが戻ってきたよ」という感じでだんだん親しみを覚えてくる。

伊藤祐介

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