2014年8月-オオツバメガ

sizen5月から7月はオオツバメガ(Lyssazampa、Tropical swallowtail Moth)という大型のガが大量に乱舞するシーズンだ。あまりに数が多いので不気味に感じた人が多かったのだろうか、今年は地元英字紙はもちろん英BBCまでもが報じていた。

 開翅長(翅を広げた時の横長)は16センチメートルほどもあるが、表おもてばね翅は焦げ茶色に白いラインが縦に1本という地味な姿。裏うらばね翅は半分が白く半分は焦げ茶色で、木の幹にとまった時のカモフラージュ効果を狙っているとみられる。街灯の明かりに誘われてコンドミニアムにやってきたところを見た人も多いだろう。別に毒をもっているわけではないので、触っても害はない。

 季節の変わり目がはっきりしない熱帯性だけあって、オオツバメガが飛ぶのは11月頃までと長い期間に及ぶのだが、5〜7月に特に集中して発生する理由は実はよく分かっていない。天敵の鳥の数や寄生虫の活動と関係があるという説もあるようだ。

 ガは毛虫やドクガのイメージが強く、美しいものの代名詞であるチョウとはうって変わって人に嫌われがち。実はガとチョウは同じ鱗りんしもく翅目で、両者の間に厳密な区別がないのをご存知だろうか。現にオオツバメガの俗称で「ラオス産の茶色の蝶」というのもある。触覚がチョウの方が棒状であるのに対し、ガは毛が生えていたり細かったりする」といった指摘もあるが、明確がセン引きはない。

オオツバメガの後翅(下側の2枚の翅)は俗称通り、ツバメの尾羽を彷彿とさせるように先端が伸びている。後翅の先端が伸びている点はアゲハチョウに似ているが、幼虫も毛虫タイプでなく芋虫タイプ。このあたりもガ的でなくチョウ的である。幼虫はトウダイグサ科の植物の葉などを食べる。

 マレー半島やインドシナ、北はヒマラヤまでと分布範囲は広いのだが、台風に乗っかったのか、はるばる宮崎県や山口県でも確認されたことがあるという。こう聞くとガ嫌いの方もちょっとはオオツバメガに親近感をもってくれるのではないだろうか。

伊藤祐介

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