2015年10月-スマトラサイ

shizen絶滅が危惧されているスマトラサイ(Sumatran Rhinoceron)だが、マレーシア国内ではすでに野生の個体は絶滅してしまったようだ。先ごろ研究者グループが学術誌上で、以下のよう報告した。マレーシア半島部では2007年を最後に目撃されておらず絶滅が囁かれていたが、11、14年にそれぞれ繁殖目的でメスが捕獲されていたサバ州でも、今年6月までに生息を窺わせる新たな痕跡は発見されていないという。

スマトラサイはスマトラという名前がついているものの、インドネシアだけでなくかつてはタイやカンボジア、ラオスなど東南アジアに広く生息していた。しかし生息域がしだいに縮小し、ミャンマーの奥地などにわずかながら生息している可能性があるものの、主にスマトラ島とボルネオ島、マレー半島部に細々と残っているとみられていた。

スマトラサイはサイの仲間では最も小型で、体長2.4〜3.2m、肩高1.1〜1.5m、体重800〜1000kg。全身に毛が荒く生えているのが特徴的だ。角は長短2本あり、長いほうで30cm前後ある。漢方薬の材料として角が狙われ乱獲に遭った。

1980年代初めにはマレーシア半島部とサバ州に合計50〜75頭が生息していると推定されていた。また1984年から95年にかけて半島部とサバ州で22頭が繁殖目的で捕獲されたが、すでに妊娠していた1頭を除いて繁殖作戦はすべて失敗。その後、病気や老衰などで次々と死亡した。

現在はインドネシア領であるスマトラ島とカリマンタンに生息する野生の個体は100頭以下とみられ、飼育されている個体も世界で9頭だけという惨状。マレーシア国内では3頭が飼育されているだけだ。もちろん僕も野生のスマトラサイは見たことはない。

マレーシアではサイの名前を冠したサイチョウという大きな鳥が国鳥に指定されているが、本家のサイが絶滅してしまったらサイチョウの名前の由来をどのようにして後世の人に伝えたらいいのだろう。

伊藤祐介

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