2015年7月-ジャコウネコ(その1)

  • 2015/7/7
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shizen 全然別の場所であっても、似たような環境の下では同じような生態系的地位(ニッチ)にある動物が生息しているものだ。これを収しゅうれん斂というが、日本のタヌキやイタチに相当する動物が、アジアやアフリカではジャコウネコ科の動物だ。

肛門の近くにある腺(会陰腺)から出る分泌物が香料として用いられていることはよく知られる。身体のサイズは種によって様々で、マレーシアで最もよくみられるマレージャコウネコ(Malay Palm Civet)は、体長50〜60ンチメートル。ちょっとスマートでしっぽの長いタヌキといった格好だ。小鳥やネズミ、トカゲなどを食するほか、昆虫や果実なども食べる雑食性。イヌ科のタヌキとは系統が違うが食性は似ている。

コーヒーの実も好物で、ジャコウネコが消化せずに排泄したコーヒー豆は「コピ・ルアク」(シベット・コーヒー)と呼ばれて珍重される。消化しないコーヒー豆は体内を通過する際に酵素などの影響を受けて変質するようで、大量に手に入らないため高値で取り引きされる。主産地のインドネシアのコーヒーショップで飲んでも1杯1000円ぐらいするのだが、最近では養殖も増えているそうだ。僕も買って飲んでみたが、ウンチのニオイはまったくせず、味はまろやかだった。

同じくマレーシアに多いジャワジャコウネコ(Malay Civet)は、更に細長い体型。全身にトラネコのようなぶち模様がある。タヌキというよりその名の通りネコに近い。ネコと比べると足が短く、シルエットで見るとイタチに近い感じ。小枝を伝って小鳥を捕ったりするのも上手そうで、イヌ亜目イタチ科であるイタチとは系統が違うが生態的地位が似ているのは面白い。

タヌキ、イタチと生態が似ているということは、ジャコウネコが人家に近い場所にも生息している可能性が高いことを示している。折しも会社の同僚が、セランゴール州ペタリンジャヤ市内にある住宅街でぶち模様があるジャコウネコらしい動物を見たというのだ。この話は次回で。

伊藤祐介

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