2016年11月-ニシキフウライウオ

  • 2016/11/6
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87shizen-ornate-ghost-pipefishサバ州南東部のマブール島やカパライ島周辺はユニークな生物の宝庫なのだが、特にダイバーの間で人気の高い魚がニシキフウライウオ(Harlequin Ghost PipefishもしくはOrnate Ghost Pipefish)だ。
カミソリウオ科の魚で、タツノオトシゴを含むヨウジウオ科はこの近縁。おちょぼ口で吻が飛び出しているところや細長い身体、硬い骨板に蔽われた身体はよく似ている。また育児嚢をもつ点も共通しており、違うのはニシキフウライウオが卵から孵化するまでメスが育てる点だ(タツノオトシゴの場合はオス)。
体色は黒をベースに細かい朱色、オレンジ、黄、白の点やラインが入る。赤や黄がベースカラーになっているものもおり、体色には個体差が大きい。なかにはほとんど真っ黒なものもいる。全身が皮弁とよばれる突起やヒダに蔽われている。これだけ聞くと派手派手しいが、鮮やかなヤギやウミトサカ、ウミシダに入り込むと擬態能力を発揮する。
泳ぎ回っていては擬態にならないから、たいていは頭をやや下げて静かに漂っているので観察はしやすい。カメラがちょっと触れたぐらいではビクともしない。「風来魚」という和名はダテではない。エサは流れてきたプランクトンなどで、積極的にエサを探す様子はみられない。
英名のハーレクインというのは恋愛小説のことではなく、道化師という意味。ハーレクイン・シュリンプといえば和名でフリソデエビだが、ユニークな形状と模様をもつところがニシキフウライウオと共通しており、共に英名のような道化師の水玉模様の派手なヒラヒラ衣装を連想させる。
典型的な蚤の夫婦でメスの方がオスより大きい。アンコウなどはその典型だが、卵を生むメスは身体が大きい「安産型」のほうがいい。激しい縄張り争いをする必要がなければオスは小さくていいという割り切りをするのが自然の働きだ。ちなみにオスメスの形状が異なることを性的二形という。

伊藤祐介

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