2016年8月-フタバガキ

84Shizen-フタバガキ多種多様な樹木で構成される熱帯雨林。なかでも存在感をみせるのがフタバガキ(Dipterocarpaceae)科の樹木だ。漢字で書くと「双葉柿」。丸い果実に羽根つきの羽根のような2対の萼片が伸びているためで、学名も同じく「羽の2枚ある実」という意味からきている。
羽根のついた果実は竹とんぼのように回転しながら落ちるので、そのままポトンと落ちるより風に乗って遠くに行きやすい。ただ数年に一度しか開花・結実しないので、いつも見ることができるわけではない。世界中に600種ほど存在するがすべて熱帯に自生し、そのほとんどがアジアに分布する。うちマレー半島には約170種、ボルネオには260種以上あるとされる。ラワン材として使われるために乱伐にあって大幅に数を減らしている。
樹高は50メートルほどになるが、先ごろサバ州マリアウ・ベイスン保護区で高さ89・5メートルもあるフタバガキ科の一種(イエローメランティ)の巨木が発見された。じつに20階建てのビルに相当する高さで、これまでの熱帯雨林における最高記録だったタワウヒルズ国立公園のものを1・2メートル更新した。日本の森林総合研究所の調査によると、高い木ほど光合成の能力が増していることが分かったという。”熱帯雨林一”高いこの木は、これからもますます成長するということなのだろう。
フタバガキ科の樹木といえば、これが発達した森でしばしば見られるクラウン・シャイネスとよばれる不思議な現象がある。同時期に成長した樹木の樹冠がそれぞれ微妙な隙間を空けて成長する現象で、木々の隙間がまるで網の目のようにも、空がひび割れたようにもみえる。なんだか「隣の木に遠慮しながら最大限に葉を広げていったらこうなりました!」というような現象だが、メカニズムはまだよく分かっていないという。手近な場所だとマレーシア森林研究所(FRIM)裏手の森でもみることができる。ジャングルでは下ばかりでなく上を向いて歩こう♪

伊藤祐介

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