自然のはなし-130回 カワラバト

我が家のベランダにいつの間にかカワラバト(Rock Dove)が巣を作った。一般的に「ドバト」と呼ばれているもっとも普通に見られるハトだ。
家畜化されたものが野生化したもので、野バトとでも呼んだ方が適切だ。
風で飛んできた草木の種が排水溝で芽吹き、格好の目隠しとなったところに巣を作った。我が家のベランダの自然溢れる状態(汚いともいう)が気に入ったらしい。ハトと言えば多くの日本人は英語で「Pigeon」と呼ぶと思っているが、カワラバトのように「Dove」と呼ぶのが英語圏では一般的だ。
ハト目の鳥はピジョンミルクというものを「嗉囊(そのう)」と呼ばれる消化器官から分泌し、吐き出してヒナに与える。ピジョンミルクは栄養価が非常に高い。このため昆虫などを食べさせなくてもいいので、昆虫が少ないシーズンでも子育てすることが可能なのだ。ハトの仲間が世界中で繁栄している理由はここにある。
ヒナはやがて成長と共に種子なども食べるようになる。ベランダのヒナは2羽とも順調に育ち、やがてベランダを散歩して回るようになる。
ある朝、ベランダに面したリビングの陰でヒナの鳴き声がする。なんと2羽とも風通しのために開けて置いたサッシの隙間からリビングに入り込んでいたのだ。どうやら並べてあった大小の観葉植物の鉢植えの間を新たな隠れ家に決めたらしい。
毎日のようにヒナたちの様子を観察していたから、僕の顔を見ても逃げたり隠れたりする様子はない。。澄ました顔で堂々と出たり入ったりしている。
普段はリビング内で過ごし、退屈したり親鳥がエサを配達に来るとベランダに出て行く。これではサッシを閉めるわけにはいかないし、ベランダで洗濯物を干すこともできない。まるで「ハトの子にベランダ取られて室内干し」だ。
最後になったが、マレーシアではフレイザーズヒルなどに行くと、カワラバト以外にもミカドバトやアオバトなど美しいハトを見ることができる。

伊藤祐介

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